赤血球沈降速度(赤沈・ESR) 家庭の医学

■治療効果を知る簡便な方法
 抗凝固剤とともに採血した血液の赤血球の部分が徐々に沈降し、血漿(けっしょう)部分と分離します。感染症や炎症、腫瘍などがあると早く沈降しますが、妊娠などでも値は大きくなります。いっぽうで、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)では低値となります。

■基準値:男性2~10mm/1時間、女性3~15mm/1時間

■検査結果から疑われる病気
 高値(亢進)の場合には、次のことが考えられます。
 感染症、炎症性疾患、貧血、悪性腫瘍、膠原病など
 低値(遅延)の場合には、次のことが考えられます。
 播種性血管内凝固症候群(DIC)多血症など

(執筆・監修:国際医療福祉大学医学部 主任教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)