製薬大手バイエル薬品(大阪市)が取引のあった宮崎県内の開業医名で、自社の新薬に関して患者に行ったアンケート調査に基づく論文を医学誌に掲載した疑いのあることが19日、分かった。内部告発した50代男性社員の代理人弁護士が厚生労働省内で記者会見し「論文は新薬の販売促進に使われ、信用性に疑義がある」と指摘した。
 この社員は上司の指示で患者のカルテを無断閲覧したといい、バイエル社は一連の問題について「真摯(しんし)に受け止め、外部専門家も交えて実態解明に努めている」とコメントした。
 新薬は血栓症治療に使う抗凝固薬「イグザレルト」。2012年から販売され、昨年1年間に薬価ベースで640億円余りを売り上げた。
 弁護士によると、宮崎営業所の社員は12年、同所幹部の指示で、開業医の協力を得て診療所の患者を対象に他社の競合薬や販売間もないイグザレルトの服用状況や好みなどのアンケートを2回実施。その際カルテも無断で閲覧し病歴などを収集したという。 (C)時事通信社