治療・予防

長引くせきやたん =子どもと高齢者に多いクラミジア肺炎

 クラミジア細菌は、人に感染するものでは大きく分けて3種類ある。性感染症を起こすクラミジア・トラコマチス、オウム病を起こすクラミジア・シタッチと、肺炎を引き起こすクラミジア・ニューモニエだ。公立昭和病院(東京都小平市)呼吸器内科の大滝美浩医長は「クラミジア肺炎は診断がつきにくく、時間が経過するほど治りづらくなります」と話す。

 ◇症状は軽い風邪程度

 クラミジア肺炎は症状が軽い異型肺炎の一種。原因細菌のクラミジア・ニューモニエは1989年の命名で、以前は存在が知られていなかった。
 高熱でせきやたんが出る市中肺炎とは違い、炎症を示す白血球の数値はほとんど上がらない。大滝医長は「10歳前後の子どもと高齢者に発症のピークがあり、集団感染や重症化も報告されていますが、多くは軽い風邪程度の症状です」と説明する。
 通常、細菌感染を起こすと、血中の抗体の数値が急カーブを描いて上昇するが、クラミジア・ニューモニエの場合は、ほとんど変化が見られない。知らぬ間に感染していることも多く、日本人の5~6割がすでに抗体を保有しているからだという。しかも、感染後は細胞内に入り込んで増殖するため、検査時に喉の奥をしっかりとこすって細胞を取らないと、細菌の培養ができない。
 クラミジア肺炎と診断されれば、テトラサイクリン系という抗生物質が細胞内の細菌に効果を表すが、「一般のクリニックでは、最初から異型肺炎に焦点を当てた治療は、まず行わないと思います」と大滝医長。
 クラミジア・ニューモニエは、感染直後は抗生物質がよく効くが、時間が経過して細胞内に入り込んでしまうと効きにくくなるという。「せきやたんがダラダラと続き、ぜんそくのような症状が出る人もいます」

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