治療・予防

原因異なる二つのものもらい
診断受け、適切な対処を

 ◇脂が詰まる

 一方、脂を分泌するマイボーム腺が詰まる霰粒腫は治療が長引く傾向があり、治るまでに数カ月を要することが多い。基本的に痛みはないが、冷えによる血行不良や食事で油を大量に摂取した影響などで細菌感染を合併した「化膿性霰粒腫」になると、痛みが生じる。
 目薬では治せず、手術という選択肢もあるが、最近ではまぶたを温めて詰まった脂を溶かす「温あん法」が主流。問題は、霰粒腫ドライアイのリスクを高めてしまうこと。「マイボーム腺から分泌される脂には、涙の蒸発を防ぐ作用があります。ところが、霰粒腫を繰り返すとマイボーム腺の機能が低下し、潤いに必要な脂が不足してしまうのです」
 いずれのものもらいも、予防にはまぶたを洗うことと、温あん法が有効だ。有田医師は「特に雑菌の多いまぶたの際(きわ)を、朝晩しっかり洗うこと。アイメークは、マイボーム腺をふさいでしまうのでお勧めできません。温あん法は血流を促してくれますが、炎症を起こしているときは控えましょう」とアドバイスしている。具体的には、マイボーム腺関連疾患に詳しい眼科医らでつくるLIME研究会のホームページが参考になる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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