治療・予防

B型肝炎から子どもを守る
0歳児対象に定期接種化

 ◇乳幼児期は要注意

 HBVは思春期以降に感染した場合、一過性で治癒することが多いが、免疫機能が未熟な乳幼児が感染するとキャリアになりやすい。須磨崎教授は「日本以外では、ほとんどの国で乳児期のワクチン定期接種がすでに行われています。キャリア化を防ぐためにも、B型肝炎ワクチンは乳児期に接種することが大切です」と強調する。
 主な副反応は発熱や接種部位の発赤、腫れなどだが、ほとんどが2~3日以内に収まる。「まれに重篤な症状の報告もあるが、ワクチンとの因果関係は証明されていません」と須磨崎教授。
 HBVの恐ろしさは、感染に気付きにくいこと。成人後の献血や健診で、初めて自分がキャリアであることに気付くことが多いという。また、抗がん剤の投与をきっかけにウイルスが再活性化することもあるといい、須磨崎教授は「お子さんの健康を一生涯にわたって守るためにも、保護者の方にはワクチン接種を『一生の贈り物』と捉えてほしい。接種スケジュールは、かかりつけの小児科でよく相談してください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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