インタビュー

乳がん、若い女性も注意=進歩する治療-武山浩医師

 女性がかかるがんで最も多いのが乳がんで、若い年齢での発症も少なくない。以前は60歳以上と40代の患者が多く、年代別の患者数のグラフに二つの山を作っていた。しかし、今では20~30代の患者も目立つ。妊娠や出産などに際しての患者や家族への支援、治療に成功した後の継続的なフォローも必要だ。東京慈恵会医科大付属病院(東京都港区)乳腺内分泌外科診療部長の武山浩教授に、現状などを聞いた。

 ◇10年生存率は70~80%

 「現在の乳がん治療には、二つの特徴がある。一つは、改善の余地はあるとはいえ検診の普及で早期発見の患者が増えていることだ。もう一つは、手術や放射線、抗がん剤や抗ホルモン療法など治療法が進歩し、これらの治療法を組み合わせることで治療成績が良くなっていることが挙げられる。実際、成否の目安である治療後10年間の生存率は、乳がん患者全体では70~80%に達している」

 武山教授は、女性がかかるがんの中で「乳がんは比較的治る治りやすいがんに分類できる」と指摘する。

 患者の「生活の質(クオリティー・オブ・ライフ=QOL)」の改善も進んでいる。特に抗がん剤の副作用を抑える支持療法や心身両面での苦痛を和らげる緩和療法が普及したことに加え、患者の体型を大きく変えてしまう乳房切除についても大きく変わった。

 腫瘍のできた乳房であってもできるだけ切除部分を小さくして乳房を残す温存療法の普及や、乳房すべてを切除する場合でもシリコンなどを使って人工乳房を再建する治療が健康保険の適用になるなど、がん治療後の人生への配慮も増している

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