矢形寛 医師 (やがたひろし)

埼玉医科大学総合医療センター

埼玉県川越市鴨田1981

  • ブレストケア科(乳腺科)
  • 教授

乳腺・内分泌外科 外科 がん

専門

乳がん

矢形寛

「診断も治療も病理診断が要。その要である病理を知ることで、診療の幅が非常に広がり、その有用性とともに、問題点や限界もよく知ることができる。」という考えのもと、自ら顕微鏡を覗いてがんの診断に役立てる矢形寛医師。手術後に発症しがちなリンパ浮腫についても治療士の認定を取得、「患者さんのケアに深みを増すことができるよう、心がけています」と話す。さらに、最近クローズアップされている、乳がんの遺伝という問題についても、カウンセリングを担当。診療にも生かしているという。

診療内容

診療において、診断、治療、ケアのいずれも重要であることは、言うまでもない。「当然、どれも真剣に取り組んでいますが」との前置きのもと、矢形医師は「乳腺病理を自らみて判断することが得意であり、好きでもあります」病理診断の重要性を痛感し、診断も治療もすべて病理診断をもとに行う。臨床医が顕微鏡を覗いて、乳がんの診断をすることは珍しい。しかし、矢形医師は「診断も治療も病理診断が要。その要である病理を知ることで、診療の幅が非常に広がり、その有用性とともに、問題点や限界もよく知ることができます」と説明する。
治療方針を決定する際、エビデンスとなるのは病理診断。乳房内のがんの広がりも、化学療法や内分泌療法の決定も、また、再発の診断も病理診断の結果が基になる。
2011年2月には日本画像研究会の会長を務めた矢形医師。そこでは「病理からみた乳房の画像」をテーマに掲げ、多くの医師たちに病理の重要性を学んでもらったという。また、乳がんの手術後、手や足がむくむ、リンパ浮腫を発症するケースは多い。命にかかわるものではないとはいえ、つらい症状は、当然、患者にとっては強いストレスとなる。そのため、早期のケアが重視されつつある。
さらに、最近、クローズアップされている、乳がんの遺伝という問題についても、矢形医師は遺伝カウンセリングを担当。診療にも生かしているという。
矢形医師が所属するブレストセンターでは、乳腺外科医、腫瘍内科医、形成外科医、放射線診断医、精神腫瘍医というそれぞれの分野の専門医と、薬剤師、ブレストケアナース(看護師)、CRC(クリニカル・リサーチ・コーディネーター)、看護大学の教師、患者会ボランティア、チャイルドライフスペシャリスト、さらには患者も加わって、メンバーが一堂に会し、チーム医療とEBM(エビデンスに基づく医療)の実践を柱に、質の高い診療をめざしている。さらに、療養環境にも十分に配慮。外来、病棟とも全室個室であり、患者のプライバシーを最大限に配慮している。また、ブレストセンターでは、看護大学と協同でリンパ浮腫ケアステーションを設立。ここでは、矢形医師のほか、がん看護専門看護師やあん摩マッサージ指圧師などがチームを組んで、個人を対象にリンパ浮腫に対するケアを行ったり、グループ制でリンパ浮腫のセルフケアについて指導を行ったりしている。
「こうしたケア面をより強化しているほか、遺伝診療部にて乳がんの遺伝についても真剣に取り組んでいます」(矢形医師)

医師プロフィール

1990年 金沢大学医学部卒業後千葉大学医学部第一外科教室へ入局、外科一般について研鑽を積む
1994年 千葉大学医学部大学院入学し乳腺グループに所属する、第一病理学教室にて乳腺病理と接着分子についての研究を行う
1998年 博士号取得、第一外科へ戻り乳腺診療を行う
2000年4月~02年1月 千葉大学で診療を行うかたわら、癌研究会癌研究所乳腺病理部に通いさらに乳腺病理を勉強
2002年4月千葉大学医学部第一外科の助手となる
2004年2~3月 M.D.Anderson Cancer Center(テキサス) へ臨床見学
2004年4月 聖路加国際病院外科へ移る
2005年5月 聖路加国際病院ブレストセンター
2015年 埼玉医科大学総合医療センター ブレストケア科開設 教授