三森経世 医師 (みもりつねよ)

京都大学医学部附属病院

京都府京都市左京区聖護院川原町54

  • 免疫・膠原病内科 リウマチセンター
  • 科長、教授 センター長

リウマチ科 内科

専門

膠原病、リウマチ性疾患、自己免疫疾患

三森経世

膠原病・リウマチ性疾患治療・研究のスペシャリスト。三森経世医師は慶應義塾大学病院のリウマチ内科において、長らく診療と研究に従事し、膠原病治療に役立つ自己抗体について重要な発見を行うなど、様々な業績を残してきた。2000年10月に、内科の一部門として同院に新設された、免疫・膠原病内科の初代教授に就任。また同院では、2011年4月に内科・整形外科共同のリウマチセンターが開設され、集学的医療を目指して、内科的治療から外科的治療まで幅広い治療を実施している。

診療内容

“膠原病”は一つの病気の名前ではなく“病気の考え方”であり1)原因不明、2)全身性炎症性疾患、3)多臓器疾患、4)慢性疾患、5)結合組織のフィブリノイド変性、6)自己免疫疾患という特徴を持つ疾患群の総称である。主な疾患として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群、強皮症、ベーチェット病、混合性結合組織病などが挙げられる。三森医師率いる同科では、特異的かつ高感度の自己抗体検出法を用いて、病気の診断と治療法の選択を行っている。
診断と治療: (1)膠原病の診断と初期治療 膠原病・リウマチ性疾患の診療について、三森医師はこう語る「他施設では測定できない特殊な自己抗体を研究室レベルで解析し、診断の補助手段としており、特に多発性筋炎・皮膚筋炎では、間質性肺炎の合併や治療抵抗例に関して、自己抗体測定結果を治療方針の参考としています。また、膠原病・リウマチ性疾患では、皮膚、神経、関節、心臓、肺、消化器、腎臓等、障害部位・臓器が多岐に渡るため、各専門家と連携し、詳細に病態を検討して診断と治療を実施しています」初期治療による寛解後は、できるだけ早期に外来での継続治療を実施。また関連施設の専門外来に医師を派遣して連携医療を行っている。
(2)関節リウマチの治療:関節リウマチは寛解(病気が良くなって普通の日常生活が送れるようになること)を治療目標とし、活動性の高い場合は早期から強力な治療を行う。ステロイドは用いず、メトトレキサート、生物学的製剤を積極的に使用することで、寛解達成率は増加している。
(3)膠原病難治性病態の治療:「多くの膠原病ではステロイド剤が第一選択薬ですが、副作用があることから、大量の継続投与は避けるべきです」と三森医師は注意を促す。通常は病気の改善を確認して徐々に減らすことが必要になるという。腎炎を合併する全身性エリテマトーデスや血管炎では、その病態により、初期治療から免疫抑制薬を使用することがある。また、ステロイド剤を一次選択とする他の疾患でも、ステロイド剤が減量困難または減量により再燃する難治例では、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン等の免疫抑制薬を併用している。生物学的製剤を使用する場合もある。
高度先進医療:膠原病・リウマチ性疾患の診断において、疾患特異的自己抗体は診断・病型分類及び治療方針評価に有用である。「同科では独自に開発した方法で自己抗体の解析を行って、種々の疾患の診断の補助・病型分類・予後の推定・治療方針の決定に役立てています」(三森医師)
関節リウマチの治療では、近年様々な抗リウマチ薬や分子標的療法の生物学的製剤が開発され、大きな成果を上げている。同科もそれらを積極的に使用し、近年は関節破壊変形を阻止するため、早期から強力な治療を導入する傾向にある。また、ステロイドや免疫抑制薬抵抗性の全身性エリテマトーデスに対し、保険適応外ではあるが、抗CD20抗体製剤リツキシマブを同院倫理委員会の承認下で使用し、寛解導入に成功している。
リウマチセンター: 2011年4月に開設されたリウマチセンターでは、免疫・膠原病内科と整形外科が連携して共同で治療を行い、関節リウマチの集学的医療を目指している。最新の生物学的治療を含む薬物治療から、リハビリテーションの指導、装具療法、関節注射、手術治療など幅広く実施。「関節リウマチは全身性の多臓器疾患のため、院内のあらゆる部門との協力を図っています。また、関節リウマチの患者さんの協力のもと、様々なデータを蓄積し活用しており、患者さんにも還元しています」と三森医師は話す。さらに、同センターでは3~4ヵ月に一度、リウマチ教室を開催している。「患者さんに病気の理解を深めてもらうため、さまざまな情報を提供し、自主的なコントロールを促しています」(三森医師)

医師プロフィール

1978年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
1982年3月 慶應義塾大学大学院医学研究科修了
1982年4月 慶應義塾大学医学部内科助手
1982年10月 Yale大学Postdoctoral Associate
1994年10月 慶應義塾大学医学部内科講師
2000年10月 京都大学大学院医学研究科臨床免疫学教授、京都大学医学部附属病院免疫・膠原病内科診療科長(併任)
2011年4月 京都大学医学部附属病院リウマチセンターセンター長(併任)

「膠原病・リウマチ」を専門とする医師