齊藤力 歯科医師 (さいとうちから)

東京歯科大学水道橋病院

東京都千代田区三崎町2-9-18

  • 口腔外科

歯科口腔外科 歯科

専門

口腔外科

齊藤力

齊藤力歯科医師は、日本顎変形症学会理事長として、顎変形症の治療ガイドライン作成などにも関わる。新潟大学医歯学総合研究科では教授を務め「顎顔面口腔領域の形態と機能の構築・再建」を研究・診療の大きな柱とし「組織工学的に作製したヒト培養骨・培養口腔粘膜」「顎変形症の診断と治療」「顎変形症ならびに口唇口蓋裂患者の心理学」「口腔がんの診断と治療」「閉塞型睡眠障害の診断と治療」「歯の移植」「骨延長法ならびに骨移植術」「口腔顎顔面インプラントによる口腔機能再建」について研究を行う。現在は、東京歯科大学客員教授として、水道橋病院にて勤務。

診療内容

東京歯科大学水道橋病院口腔外科は、JR水道橋駅前にあり、口唇口蓋裂・顎骨腫瘍・嚢胞・外科的矯正治療・インプラント治療・口腔粘膜疾患・口腔がんなどの治療を行っている。
齊藤歯科医師を頼りに、都内はもとより関東一円、新潟・富山・長野・山形県内からも多くの患者が訪れる。口唇口蓋裂などの先天異常・顎変形症・腫瘍・嚢胞・炎症・外傷ならびに口腔顎顔面インプラントに関連した外科的治療など、顎顔面口腔領域の全ての疾患の診断と治療を行っている。
通常の歯科矯正治療のみでは良好なかみ合わせや顔貌を獲得することが難しい重度の顎変形症では「顎矯正手術」という外科的矯正治療によって、顎骨の位置を移動し、正常なかみ合わせと顔貌を獲得する。外科的矯正治療の目的は、顎骨を移動させて良好な咬合にすることにより咬む能力や発音を改善し、顔貌形態も改善することにある。さらに「治療することで、患者の心理的にも精神的にも良い影響が期待できる」という。
手術時期は身体の成長が止まる時期(男性:17~19歳、女性:16~18歳)以降。まずは問診のほか、かみ合わせ状態・顔貌・顎の形態や機能などを、エックス線写真・口腔内写真・顔写真・CT画像や歯列模型などを用いて診査・分析し、治療計画を立案する。その際は、齊藤歯科医師をはじめとする口腔外科医、歯科矯正医や関連各診療科の専門医が共通理解をもち、チームアプローチによって治療を進めていく。「同時に、治療全体の内容や起こりうる合併症等を事前に十分に患者に理解してもらい、治療に対する全面的な協力を得ることも重要ですね」(齊藤歯科医師)
顎矯正手術は口の中から行うのが原則で、さまざまな術式がある。
代表的なものは、上顎に対する「LeFortⅠ型骨切り術」「上顎前方歯槽骨切り術」、下顎に対する「下顎枝矢状分割法」「下顎枝垂直骨切り術」「下顎前方歯槽骨切り術」「オトガイ形成術」など。このほか、上顎と下顎を同時に移動し、上記の手術を組み合わせて行う「上下顎移動術」がある。以下、順次説明してゆく。まず「LeFortⅠ型骨切り術」について。
この手術では上顎の歯肉に切開を加えて上顎骨を広く露出させ、上顎骨を水平に骨切りして自由に動くようにする。手術前に予定していた位置に上顎骨を移動し、チタン製ミニプレートまたは吸収性ミニプレート4枚で頭蓋骨に固定。かみ合わせに問題がないことを確認してから、創を縫合閉鎖して手術は終了となる。なお、この手術は単独で行われることは少なく、下顎の手術と組み合わせて行う場合がほとんどとのこと。
次に「下顎枝矢状分割法」について。
下顎臼歯部外側の歯肉に切開を加え、下顎骨後方部を露出させて、下顎骨前方の歯がついている部分(下顎骨体部)と関節のついている後方の部分を切離。これを左右で行うと、下顎骨体部は自由に動かせるようになる。予定かみ合わせの位置で、関節のついている骨と、歯のついている骨とをチタン製ミニプレートまたは吸収性ミニプレートで固定。顎関節の動きや咬合に問題がないことを確認してから、創を縫合して手術を終了する。
「下顎枝垂直骨切り術」は「下顎枝矢状分割法」では知覚紳経に障害が出る可能性が高い場合や、顎関節に症状のある場合に行う。手術では下顎臼歯部外側の歯肉に切開を加え、下顎骨後方部を露出させて下顎骨後方部分を垂直方向に切離。予定のかみ合わせの位置で、後方の切離した骨が干渉しないように骨を削り、創を縫合して手術は終了する。
「上顎前方歯槽骨切り術」「下顎前方歯槽骨切り術」は、上顎前突症・開咬症・下顎前突症に対して行うもの。顎骨前後的位置関係はそのままに、出ている部分の歯と骨をブロックとして骨切りし、正常な咬合関係の得られる位置でチタン製ミニプレートを用いて固定する。
「オトガイ形成術」はオトガイ部(顎の先端部)が長い場合・後退している場合・非対称の場合などに行う。下前歯部の歯肉を切開し、下顎骨の前方部を露出させ、オトガイの先端部を切離して目的の方向へ移動。チタンのミニプレートとネジ、または吸収性ミニプレートとネジで固定する。この手術は他の骨切り術と同時に行うこともあるが、術後6ヵ月~1年後の骨切りに使用したミニプレート除去手術時と同時に行うことが一般的であるとのこと。
治療は治療時期や使用装置によって差はあるものの、手術前の術前矯正治療期間は月に1回程度で1年半くらいかかる。また、治療終了後も2年ほどはかみ合わせ状態の安定のための装置を付けるため、3~6カ月間隔での来院が必要。最後に終了検査をして、治療は完了となる。
「特に最近では、かみ合わせだけでなく顔貌の審美性も求める成人の患者さんが激増しています」と齊藤歯科医師。
同院歯科では矯正歯科など複数の診療科と連携した治療を行っているため、症状や悩みが複数ある患者にも心強い存在である。

医師プロフィール

1972年 東京歯科大学 卒業
1976年 東京歯科大学大学院修了
1976年 東京歯科大学口腔外科学第二講座助手
1977年 東京歯科大学口腔外科学第二講座講師
1993年 東京歯科大学口腔外科学第二講座助教授
2001年 東京歯科大学口腔外科学第二講座教授
2001年 新潟大学医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野教授
2013年 新潟大学名誉教授
2013年 東京歯科大学水道橋病院 口腔外科(東京歯科大学客員教授)