磯野史朗 医師 (いそのしろう)

千葉大学医学部附属病院

千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1

  • 麻酔・疼痛・緩和医療科
  • 科長、教授

麻酔科 緩和ケア

専門

睡眠時無呼吸症候群、麻酔、呼吸管理

磯野史朗

周術期困難気道外来を担当し、全ての患者が安全に必要な手術を受けられるよう努力している。麻酔科の専門医であるとともに、日本睡眠学会認定医でもあり、睡眠時無呼吸症候群に造詣が深い。長年の研究成果を臨床に応用し、睡眠時無呼吸の患者を手術前に見つけ、手術や麻酔を安全に受けるための対策を立て、担当麻酔科医や外科医に情報提供する。手術中には高い気道管理能力を活かして適切に気道を確保し周術期合併症を防ぐ。未治療の睡眠時無呼吸患者には治療方法を提案し、関連各科と連携し、鼻CPAP治療、手術療法、口腔内装具治療、減量療法など各患者に適した治療を行う。研究結果は世界的に高い評価を得ており、AnesthesiologyやJournal of Applied Physiologyなどの一流学術誌の編集員も務める。

診療内容

同科では、ペインクリニック外来、緩和ケア相談外来、周術期困難気道外来の3つの専門外来を設け、各分野に精通した専門医が診療にあたっている。
麻酔科医にして日本睡眠学会認定医でもある磯野医師は、周術期気道管理や睡眠時無呼吸症候群の診療を専門的に行う周術期困難気道外来を担当。睡眠時無呼吸症は睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、日本には約1千万人の患者がいると言われている。睡眠時無呼吸症の患者は気道が閉塞しやすく、手術の際に気道確保が困難になる場合がある。さらに、術後は体内に残った麻酔薬や鎮痛薬の影響で普段よりも睡眠時無呼吸は重症化するため、時には致死的な合併症をきたすこともある。しかし、手術前に睡眠時無呼吸症に対する適切な治療がされていれば、リスクは大きくない。「大事なことは、睡眠時無呼吸症があるということを麻酔科医が十分認識し、手術前よりその治療・対策を行なうこと」だという。当科では麻酔患者の気道管理アルゴリズムや睡眠時無呼吸患者の周術期管理方法を独自に発展させ、すべての患者が安全かつ快適に手術が受けられるように努力している。これらの先進的取り組みは国内外から高く評価されている。
当院で全身麻酔を受ける患者は、問診票および担当麻酔科医による詳細な問診や理学所見から睡眠時無呼吸の存在が疑われた場合は、手術前に簡易モニターによる睡眠時無呼吸のスクリーニングを受ける。その結果は麻酔方法や手術時、手術後の気道管理方法を決定する大事な情報として活用される。重症睡眠時無呼吸の存在が判明した場合、手術までに時間的余裕が有る場合は鼻CPAPなどによる治療を開始する。時間的余裕のない場合や重症ではない患者の場合は、手術後1週間程度は日中の酸素投与が中止された場合でも、夜間の睡眠中には酸素吸入を行う。
当院での手術を契機に睡眠時無呼吸の存在が明らかとなった場合には、磯野医師の周術期困難気道外来を経由し、あるいは当院呼吸器内科睡眠時無呼吸外来を受診していただき、睡眠ポリグラム検査などによる確定診断を受ける。重症度や睡眠時無呼吸の原因によって、呼吸器内科による鼻CPAP療法、歯科口腔外科による口腔内装置治療、耳鼻咽喉科による手術療法、代謝・内分泌科による減量療法などが開始される。
磯野医師の行う周術期気道管理外来では、院内あるいは院外で行われる麻酔管理で、気道を確保すること、あるいは呼吸管理を行うことの困難が予想される場合、理学所見、各種生理学的検査、画像検査および簡易モニターによる睡眠時呼吸異常評価の結果に基づき、周術期の気道管理方法を立案し担当麻酔科医や外科医に情報提供を行う。特に、顎顔面形態異常に対する手術(当院形成外科)では、手術後の睡眠時呼吸異常の改善が大きく期待できる一方で、周術期の気道管理が困難となる場合が多いので、手術前後の睡眠ポリグラフ検査を含めた綿密な気道管理を行う。
「手術を安全に受けるには、睡眠時無呼吸の診断と管理が非常に重要です。外科医を選ぶのも大事ですが、周術期気道管理体制の整った施設で手術を受けるようにしましょう」(磯野医師)

医師プロフィール

1984年 千葉大学医学部 卒業