柴田考典 歯科医師 (しばたたかのり)

北海道医療大学病院

北海道札幌市北区あいの里二条5-1-1

  • 歯科口腔外科
  • 教授

歯科口腔外科 歯科

専門

顎関節疾患、顎顔面補綴 とくに、顎関節症や開口障害の診断と治療

柴田考典

手術中顎関節疾患の病態解明と診断法に関する研究、およびより安全で正確な顎変形症手術システムの開発を専門とし、臨床では歯科口腔外科の部長として口腔・顎・顔面領域の奇形、発育異常、外傷、炎症、のう胞、腫瘍、粘膜疾患など幅広い疾患を対象に診断と治療をおこなっている。とくに、開口障害の診断と治療については実績が高く、日本全国から多くの患者が治療に訪れている。また、他の病院からの症例相談、セカンドオピニオンを求めての受診も多い。さらに顎関節症外来、顎顔面補綴外来という2つの専門外来のチーフとしても活躍。日本顎関節学会の「顎関節症患者のための初期治療診療ガイドライン」作成委員に名を連ねるなど、顎関節疾患治療の進歩に大いに貢献している。

診療内容

「近年、社会生活の複雑化にともなうストレスも一因となり、顎関節に異常を訴える患者さんが増加しています」そう語るのは日本顎関節学会の専門医でもあり指導医もつとめる柴田歯科医師。
「一般的に顎関節症という名称が広まっていますが、顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名のことをさします。そして、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症、その他が含まれます。たとえば、あごが痛い、口が開かない、あごを動かすとカクカク音がするなどの症状が出る病気のことですね」(柴田歯科医師)
同じ顎関節症と言っても、症状の出方などはまったく同じではないということだ。
「分類としては、あごを動かす筋肉に痛みのあるもの、あごの関節の関節包や靭帯に障害のあるもの、口を開けるときや閉じるときに音がしたり、口がくの字に開いたりするもの、口が開きにくい・斜めに開く(片側)・無理に開けると耳の前が痛くなるもの、あごの関節の骨が変形しているもの、などに分けられます」(柴田歯科医師)
中でも多いのは口を開けるときに音がしたり、口がくの字に開いたり、口が開きにくくなったりする関節円板障害で、全体の過半を占めるという。
「しかし関節円板障害、変形性関節症であっても30ヵ月後には43%で症状がなくなり、33%で症状が軽減しています。さらに顎関節症患者の大部分は2年半程度の期間を注意深く観察すれば、2/3 以上の例で自覚症状の軽減がみられます」(柴田歯科医師)
では、顎関節症となった場合、実際の治療はどのような手順でおこなわれるのだろうか。
「まず、顎関節症であるかどうかの鑑別診断をおこないます。ついで顎関節症の症型診断をおこない、さらに各症型における病期あるいは重篤度の判定、そして予後の予測とそれに基づいた治療目標の設定を順におこないます。軽度なものであれば、柔らかい食事をとって筋肉を安静にしたり、筋肉マッサージをする、大口を開けるのを避ける、ストレスを抱えないなどのセルフコントロールでだいぶ軽減します」(柴田歯科医師)
ストレスが要因になっているケースであれば、それを取り除くだけでも症状の軽減が見られるという。
「それらよりもう少し重いものであれば、消炎鎮痛薬を使い関節の炎症を抑えたり、プラスチックの板を歯列にかぶせるスプリント療法をおこないます。これをすることで歯を噛み締める際、顎関節にかかる力を軽減できるのです。さらに、ずれてしまった関節円板の修復や修正をおこなったり、潤滑材の役割を果たすヒアルロン酸ナトリウムを注入したり、あるいは内視鏡を使った手術などもありますが、いずれにしても症状に合わせ最善の治療法を選択していきます」(柴田歯科医師)
柴田歯科医師によれば、歯ぎしりや無意識のうちに歯を噛み締める癖がある人などは普段から意識して過ごすことが大切だという。固い食べ物を避けたり、あごに負担のかかる行為をしないよう気をつけることで、症状を軽減できたり、再発を防ぐことができるそうだ。

医師プロフィール

1977年3月 東京歯科大学卒業(歯学士)
1981年6月 東京歯科大学大学院歯学研究科博士課程修了(歯学博士)
1981年6月 東京歯科大学口腔外科学第二講座助手
1989年4月 山形大学講師(医学部歯科口腔外科学講座)
1993年4月 山形大学助教授(医学部歯科口腔外科学講座)
1995年11月 文部省短期在外研究員
2002年9月 北海道医療大学歯学部教授(口腔外科学第一講座)
2007年4月 北海道医療大学歯学部教授(生体機能・病態学系組織再建口腔外科学分野)