木元康介 医師 (きもとやすすけ)

労働者健康福祉機構 総合せき損センター

福岡県飯塚市伊岐須550-4

  • 泌尿器科
  • 部長

泌尿器科

専門

排尿障害、性機能障害

木元康介

木元康介医師は日本性能学会の診療ガイドラインの作成委員長を務めるなど、わが国のED治療におけるリーダー的存在。EDの治療が、泌尿器科での特殊な診療から、プライマリケアでの対応へと移行する中、ガイドラインでは、かかりつけ医が日常の診療の中で患者を発見できるよう、リスクファクター(危険因子)について詳しく紹介するなど、適切な治療の普及を目指す内容となっている。常識とされてきた前立腺がんの検診についてその有用性を問うなど、常によりよい医療を追求している。

診療内容

木元医師が部長を務める同センター泌尿器科は、日本泌尿器科学会によって泌尿器科専門医教育施設(関連教育施設)に認定されている。一般的な泌尿器疾患はもちろん、特に脊髄損傷や脊椎疾患など神経の障害による排尿機能・性機能の病態を専門的に診断・治療している。
国内で治療薬が発売されて以来、EDの治療は専門医から患者の全体の状態を熟知しているかかりつけ医によるプライマリケアへと移行している。こうしたなか木元医師は、担当する医師が適正な診断を下し、的確な治療法を選択できるよう、日本性能学会の「ED治療ガイドライン」の作成委員長を務めた。ガイドの冒頭には、EDのリスクファクターに関する項目が置かれている。
「プライマリケアにあたる医師が日常の診療を通して、EDのリスクファクターを抱えている患者さんを発見できることが重要と考えました。」と、木元医師。
担当患者の健康状態を知る指標となるように、具体的な数値が示されている。また、EDが循環病疾患の マーカー、あるいは初発症状ととらえられることを念頭に診察できるよう、ガイドラインの作成委員会に2名の循環器専門医を含め、記述を行なっている点にも注目したい。
現在、ED治療の第一選択は、バイアグラ、レビトラ、シアリスといったPDE5阻害剤となっている。血管の拡張を起こすセカンドメッセンジャーであるcGMPを分解するPDE5という酵素の働きを阻害することで、十分な血行を得て、勃起を得やすくするクスリだ。実際の治療でも、8~9割の患者にPDE5阻害剤が処方されている。しかし、数回の内服で効果が認められないことがあるのも事実である。このような時には服用方法に誤解がないかを確認し、それでも効果が現れなければ、専門医への紹介も考慮して治療を進めていくことが必要と、木元医師はいう。
「適正な診断を行なうためには、BIG ED(Endothelial Dysfunction:血管内皮障害)の一部であるsmall ED(Erectile Dysfunction:勃起障害)ということを常に意識しながら診療を進めていくことが重要です。」BIG EDの原因である糖尿病、高血圧といったリスクファクターを抱えている患者の場合は、その治療を行うことで治療の効果が上がり、パートナーの協力を得ることができれば、さらに効果が期待できるそうだ。
「ED治療の目的は満足のいく性的関係を回復することにあります。単に硬い勃起を得ることが目的ではないのです」(木元医師)

医師プロフィール

1981年3月 九州大学医学部 卒業
1988年3月 Stanford大学泌尿器科研究員
1998年4月 九州大学泌尿器科講師
2005年4月より現職