杉山敏郎 医師 (すぎやまとしろう)

富山大学附属病院

富山県富山市杉谷2630

  • 消化器内科
  • 教授、診療科長

消化器科 内科

専門

消化器病学、腫瘍内科学、消化管免疫学、分子生物学

杉山敏郎

わが国における消化器病学、腫瘍内科学の権威。日本消化器病学会の消化性潰瘍診療ガイドライン作成、消化器病専門医教育カリキュラム作成や多くの内科学教科書の消化器部分も執筆し、若手消化器病医の育成、指導にも熱心である。また、ヘリコバクターに関する研究にも通じ、学会理事、国際委員会委員長、ガイドライン作成を担当するほか、一般市民向けの公開講座、新聞記事など市民、県民への正しい情報提供にも努めている。腫瘍内科領域では消化管間質腫瘍(GIST)の分子標的治療に精通、北陸地域の多数の患者さんの治療に当たり、新規治療薬の開発治験も多く、診療拠点病院となっている。消化器内科の診療科長のほか、血液内科の診療科長、医療事故防止について主導的役割を担っている医療安全管理室長も兼任。多忙を究める中でも外来診療を続け、患者さんの立場に立った最先端、最新治療の提供に心がけている。

診療内容

同院の消化器内科は、食道、胃、腸からなる消化管と肝臓、胆嚢、膵臓などを含むすべての消化器疾患の診療を行っている。難治性消化器疾患、消化器がん患者が多く、内視鏡検査、内視鏡治療、がん化学療法等の領域において経験豊富な診療スタッフが揃い「特定機能病院」にふさわしい高度で先進的な医療を提供している。
上手な除菌治療…消化器疾患の治療においては、再発を繰り返す難治性の逆流性食道炎に対して、病態の解析と原因の特定を行い、明確な根拠に基づいた先進的な治療を実践している。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃マルトリンパ腫に対して、ピロリ菌除菌による治療を実践している点にも注目したい。胃潰瘍・十二指腸潰瘍のピロリ菌除菌治療は簡単に行えると思われがちだが、除菌の方法によっては耐性菌の急増を招いて、逆効果になる危険性がある。同科では「上手な除菌治療」をテーマに、最先端で最良の除菌治療を行っている。これにより、これまで胃全摘が主流であった胃マルトリンパ腫も、除菌によって改善が見込まれるようになってきた。
ダブルバルーン内視鏡・カプセル内視鏡…富山県内では最も早くダブルバルーン内視鏡を導入し、今まで内視鏡では観察が困難で『暗黒の臓器』と言われていた小腸疾患の診断と治療を可能にした。これにより、これまで病気が少ないとされてきた小腸について、予想以上に多くの薬剤関連の病変が発見されている。カプセル内視鏡、ダブルバルーン内視鏡は、消化管出血の出血源の同定、腫瘍の診断にも有用であり、関連病院から紹介を受けた多くの患者が検査を受けている。
先駆的な除菌療法…潰瘍性大腸炎、クローン病治療の進歩は著しく、患者のQOLの向上はもちろん、粘膜炎症制御をターゲットとした新しい治療法、原因治療が世界基準となりつつある。同科では、難治性の潰瘍性大腸炎に対して先駆的な除菌療法を施行し、治療効果を挙げている。また、難治性の潰瘍性大腸炎やクローン病の治療に対して、病態を十分に考慮しながら種々の新規分子標的薬剤を積極的に導入し、新規臨床治験も実施している。
消化管間質腫瘍の内科的治療…イマチニブを用いた内科的分子標的治療や、イマチニブ耐性例に対するスニチニブ、レゴラフェニブの使用など、消化管間質腫瘍の内科的治療において、我が国でもトップクラスの実績があり、世界を網羅したグローバル臨床治験にも参加している。また、薬剤開発のアドバイザリーコミッティーでもあり、常に最新情報を入手して、患者に提供している。薬剤の多くは経口薬で、多くの患者は日常生活を送りながら治療を受けることができる。
消化器がんの治療…地域のがん拠点病院として、最先端の先進医療を導入・実践している。早期の消化器がんに対しては、身体への負担が小さい内視鏡下での非外科的切除術を適用。切除不能の進行がんに対しても、専門施設で十分にトレーニングを積んだ腫瘍内科専門スタッフが、医学的根拠に基づいた最新の化学療法(抗がん剤と分子標的薬剤)を行っている。

医師プロフィール

1980年3月 札幌医科大学医学部卒業
1983年1月 米国コロラド大学医学部リサーチフェロー
1985年4月 札幌明和病院消化器内科医長
1987年2月 札幌医科大学内科学第一講座助手
1990年1月 カナダマックギル大学癌研究所リサーチフェロー
1992年4月 札幌医科大学内科学第一講座講師
1994年12月 札幌医科大学臨床検査医学講座講師
1997年4月 北海道大学医学部内科学第三講座講師
2000年4月 北海道大学大学院医学研究科消化器内科学助教授
2004年10月 富山医科薬科大学内科学第三講座教授