古郷幹彦 歯科医師 (こごうみきひこ)

大阪大学歯学部附属病院

大阪府吹田市山田丘1-8

  • 歯科口腔外科
  • 教授、診療科長

歯科口腔外科 歯科

専門

口唇裂・口蓋裂、顎変形症、口腔がん

古郷幹彦

同院、口腔外科1〈制御系〉の教授の古郷歯科医師は、国内トップクラスの名医として、その実績はメディアなどでも多数紹介されている。同科は長期かつ専門的な治療を要する口唇裂・口蓋裂治療で日本の草分け的存在で、鼻咽腔ファイバースコープの発明などでも有名。口唇裂・口蓋裂治療は乳幼児から成人までの手術など総合一貫治療を実施。「顎変形症外来」では、矯正歯科との連携に基づいた確実・安全な手術を行う。口腔がんについては確実な治癒をめざして専門的治療を目指している。

診療内容

口唇裂・口蓋裂は比較的多い口腔顔面の先天異常であるが、生後間もなくから適切に治療すれば他の合併症の影響を受けない限り、健常な成人として社会生活を過ごせる。
審美障害・顎発育障害・言語障害の可能性があるが、最近の治療ではほとんど問題ない状態まで改善できる。口唇裂・口蓋裂手術を行うケースは以下のとおりである。
まず、生後2~3か月に口唇形成術を、口蓋形成術2期法は1回目の軟口蓋形成を1歳に2回目は硬口蓋形成を1歳半に行う。顎の健全な発育を図るため2期法を行っている。
学童期に至ると、顎裂部骨移植術(オトガイ骨または腸骨から)、成長後は、口唇外鼻修正術・骨きり術・咽頭弁移植術など必要に応じて行う。
妊婦の健診時に胎児に疾患を認めた場合は、両親に疾患についての説明を行っている。
生後すぐ、ホッツ床を作成し、哺乳指導と術前顎誘導を行うようになっている。
また「言語治療」については顎口腔機能治療部にて専門的治療に取り組み、その他、顎発育を中心に成長管理を行っていく。
顎変形症とは一般に、上アゴ(上顎骨)または下アゴ(下顎骨)の過剰な発育、あるいは発育不良などが原因で咬み合わせの異常や、顎顔面形態の不調和をきたす病態を指す。
咬み合わせが悪いことによって言葉が不明瞭になったり「受け口」や「出っ歯」を呈することで精神的に悩みを抱えたりといった、様々な状況が考えられる。
原因は、発育異常、遺伝的要因・先天的な疾患もしくは内分泌系の疾患、顎関節疾患など多岐に渡る。
同院・口腔外科1の顎変形症外来においては、歯列矯正のみでは十分な結果が得られない場合、外科的矯正手術(全身麻酔下でアゴの骨を分割して咬み合わせやアゴの形態を改善させる手術)を行うケースも少なくない。手術は通常アゴの成長発育が終了する年齢(17~20歳以降)に行う。
種々の検査の結果「外科矯正手術の適応」と診断された場合には、まず、術前矯正治療(手術の際に想定される咬み合わせ(咬合)に合わせて歯並びを直す治療)を開始。
これは、手術後の咬合の安定に影響するものであり、治療開始および手術前に口腔外科と矯正歯科による合同カンファレンスで、治療方針について綿密に打ち合わせていくものである。そして、手術の1~2ヶ月前には詳細な治療内容、手術内容を決定することとなる。
手術後の咬合の長期安定性や審美面での改善の点から近年では上顎と下顎を同時に移動させる上下顎骨切り手術が選択されることが多くなっている。
この手術もすべて口腔内からの手術で行われ、上顎骨の下顎骨をそれぞれ“人工的に骨折”させ、あらかじめ計算された“適切な位置に移動”させ、“骨固定を行う”ものである。これによって、適切な咬合と調和のとれた口もとがえられる様に考慮している。
手術翌日から一定期間、ゴムを上あごと下あごにかけるので咬み合わせを安定させる目的で大きく口を開けることは出来ないが、話すことや流動食を摂ることは可能である。
こうして通常は術後10日程で退院となり、その後は定期的に通院して術後経過を診察する。
また、矯正専門医により術後矯正治療を行っていくものである。

医師プロフィール

1984年 大阪大学歯学部附属病院医員(第一口腔外科)
1986年 大阪府立母子保健総合医療センターに勤務
1996年 大阪大学歯学部 助教授
2002年 大阪大学歯学部 教授
2002年 大阪大学歯学部附属病院 副病院長