高橋滋 医師 (たかはししげる)

洛和会丸太町病院

京都府京都市中京区聚楽廻松下町9-7

  • 院長

外科 血管外科 消化器外科

専門

消化器がんの手術療法(胃がん・直腸がん)

高橋滋

高橋滋医師は、消化器がん(胃がん・直腸がん等)の累計手術件数3,000例以上の実績を持つ、手術のエキスパートである。
常に安定した手術を心がけ、手術はすべて無輸血で行い、術後の合併症(通過障害、狭窄、縫合不全など)も少なくおさえ、拡大手術も得意とし第3群リンパ節郭清や吻合、再建の方法など細部にこだわる手技は高い評価を得ている。
また、高橋医師は、学会のセッションなどで自身の手術ビデオを積極的に発表し、手技のさらなる向上と術式の普及にも努めている。
2015年2月より洛和会丸太町病院の院長に着任。

診療内容

新規患者数が年間で約11万人と、日本人に多い胃がん。男女ともに60代が一番多く、2対1の割合で男性に多いと言われている。胃がんの患者数は増えているが死亡者数は減っており、近年、診断法が進歩し早期発見・早期治療が可能となった事や安全で十分な手術が出来るようになったことがあげられる。
消化器系のがんの中では、胃がんは大腸がんと並んで治りやすい病気である。

治療法には、大きく分けて[開腹手術]・[内視鏡治療]・[抗がん剤治療]の3つがあり、胃がんは多くの場合、第一の選択肢として手術治療が行われている。
当科では、体に加わる手術侵襲を極力小さくすることを前提に手術方法を決めており、消化器疾患に対しては、体に大きな傷をつけずに、数箇所の小さな傷で手術できる腹腔鏡下手術を広く行っている。ガイドラインに従った、最新のエビデンスに基づいた治療を行っているが、あくまでも患者本位の治療を基本としている。
「胃がんについては、過去に経験した拡大郭清をふくむ3,000例以上のデータからその患者さんにとって最良の手術法・リンパ節郭清範囲を行わせていただいています。もちろんガイドラインに従った治療が最優先ですが、それが全てではありません。手術の際には自分にされても納得ができるような治療を心がけて、どうするのが最良か手術術式を細かい点まで再考した論理的な手術と過不足のない郭清をさせていただいています」と高橋医師は言う。
特に胃がんの手術方法については、学会で手技のビデオを多数供覧し、さらなる技術向上の検討など積極的に行っている。
早期発見の胃がんや大腸・直腸がんは「最近では、腹腔鏡というカメラとマジックハンドを数カ所に入れて行う腹腔鏡手術が増えてきました。おへそに5cmほどの傷と4カ所ほどの数mmの傷だけで済む手術です。特に大腸がんや直腸がんでは、傷を小さくすることができ、体にやさしいと言われています。ただ、おなかの中を直接触ることができないという欠点があり、マジックハンドは人間の手よりも劣ると言えます。一方で、ハイビジョンのカメラを病巣の奥まで近づけて見ることができ、直腸などの深い部位では、確実性が上がるという利点もあります。胆石症に対する胆のう摘出術はほぼ全例、大腸がんや直腸がんは可能な限り、腹腔鏡で手術しています。逆に胃がんでは開腹手術に有利な点も多々あるようにも思います。がんの腹腔鏡手術の途中で手技状の問題で通常の開腹手術に変更した経験はありませんが、理由があれば説明のうえ最初から開腹手術をおすすめしています。また下部胃がんでは特殊な器械をもちいることで6cmほどの小切開で開腹手術することも可能です。外科医の数だけ手術の数が存在しますが、想像力をもとに手術を構築し細部にこだわる姿勢が大事だと思います。私は使う器具に応じてどれだけ組織が痛むか実際に距離を顕微鏡で確認し安全面で役立てています。いまだに夢の中ですら手術を改良する点を探し続けています。このためか合併症がほとんどおこらないようです。幽門側胃切除では過去20年にわたり縫合不全をおこしたことがないので特に開腹手術では胆嚢を切除しない限りドレーンという管は入れません。胃全摘でも10年にわたり食道空腸吻合の縫合不全がないので、次の日からお水を飲んでいただき、早ければ10日程で退院できます。当科は肝胆膵の悪性腫瘍の手術が比較的多いのですが、肝門部胆管がん以外の手術はほぼ全例無輸血でおこなっております。他にはある程度高齢の方を対象に局所麻酔で鼠径ヘルニアの手術も行っています。また患者さんへの説明をよりわかりやすくするために胃がん以外にもポピュラーな疾患は自分で行った手術を編集した説明ビデオを作成しコンピューターなどで患者さんにお見せしています」(高橋医師)
手術に際しては「きちんとした治療ができて手術後の痛みが少ないうえ、早く回復して元気になる可能性の高い手術方法を提案しています。手術方法は、患者さんと医師がよく相談したうえで、最終的に患者さんが一番納得のいく方法を選択していただいています」(高橋医師)

同院外科は、日本外科学会および日本消化器外科学会の認定施設、日本乳癌学会の関連施設である。胃がんや大腸がん・急性虫垂炎・胆石症・肝胆道膵臓がんなどの消化器疾患、ヘルニアなどの一般外科疾患ばかりでなく、乳腺疾患や小児外科疾患・下肢静脈瘤のような末梢血管疾患などにも積極的に対応し、救急疾患にも幅広く対応している。
患者への対応は、初診を受け持った医師がおもに執刀するが、執刀医だけが責任をもつのではなく、外科医をふくめて多職種チーム医療を心がけている。患者にとって初診から関わり一貫して症状を診てきた医師の執刀は、多くの安心を運ぶと言えよう。また、多職種チーム医療により、安全な手術や術後の合併症予防等が実現可能となっているのである。

医師プロフィール

1981年 京都府立医科大学卒、第一外科入局
1983年 京都第二赤十字病院で徳田門下となる。京都第二赤十字病院副部長
2001年 静岡がんセンター胃外科医長
2004年 近江八幡市立総合医療センター 外科部長
2012年 洛和会音羽病院 外科部長 
2014年 洛和会音羽病院 副院長
2015年2月 洛和会丸太町病院 院長