リベルサスは、糖尿病患者の血糖値コントロールに有効な薬剤です。リベルサスを使用することで、血糖値の安定化が期待されます。
また、リベルサスには食欲を抑える働きがあることから、ダイエットにも効果があると言われています。
しかし、リベルサスを使用するにあたり、注意しなければならない点もあります。効果が現れるタイミングについても気になるところです。
本記事では、リベルサスの効果が現れるタイミングや使い始めの注意点について解説します。
目次
リベルサスはGLP-1の経口薬(口から飲める薬)
リベルサス以外のGLP-1ダイエット法は、注射で投与する必要があり、注射の痛みが苦手な人は挑戦しにくいものでした。
しかし、リベルサスは錠剤を服用するだけ。注射に抵抗があった方でもGLP-1ダイエットに取り組みやすいと言えるでしょう。
リベルサスの効果と特徴
ここからは、リベルサスの効果や特徴について詳しく解説します。
食欲が抑制される
リベルサスは、脳に作用して満腹感を高めることで食欲を抑えることが期待できます。
また、胃の動きを遅くすることで、食べたものが長く胃に留まります。そのため、食事量を自然に減らすことが期待できるというわけです。
GLP-1受容体は膵以外にも存在し作用するが,これを膵外作用と呼ぶ.胃への胃排泄遅延作用,中枢への食欲抑制作用が代表的な例である
加藤俊祐; 脇裕典. GLP-1 受容体作動薬による腸内細菌の変化とそのメカニズムについて. 秋田医学, 2022, 49.1: 37-44.
太りにくい体質になる
リベルサスには、太りにくい体質になる効果があると期待されています。その理由は、リベルサスが血糖値を下げることにより、インスリンの分泌量を抑えられると言われているためです。
インスリンは、脂肪細胞に脂肪を蓄積させる作用があります。インスリンの分泌が抑えられることで脂肪が蓄積されにくくなり、太りにくい体質になることが期待できるでしょう。
血糖値の上昇を防ぐ
リベルサスは、膵臓に作用してインスリンの分泌を増やし、肝臓に作用して糖新生を抑えることで、血糖値の上昇を防ぐことが期待できます。
また、血糖値が高いときだけインスリン分泌を促される傾向があります。
リベルサスは医師による処方が必要
リベルサスは医師による処方が必要な薬剤です。リベルサスは効果的かつ安全な使用を確保するために、ダイエット目的であっても医師による適切な処方と管理が必要です。
また、リベルサスの使用には適応症や禁忌症などの注意事項があります。例えば、2型糖尿病患者であっても、腎機能が低下している場合や薬剤に含まれる成分にアレルギーがある場合などは禁忌です。
また安全性が担保されているものではないため、リベルサスを使用する際には必ず医師と相談し、適切な使用を心がけましょう。
オンライン診療での処方も可能
現在では多くの医療機関がオンライン診療を行っており、リベルサスの処方もオンライン診療で受けることができます。
ただし、オンライン診療でも医師の診察や判断が必要です。適切な処方や管理が行われるように注意する必要があります。
2型糖尿病以外は保険適用外
リベルサスは、日本では2型糖尿病治療薬として保険適用されています。つまり、2型糖尿病以外の症状に対する使用については保険適用外。自己負担が必要となります。
肥満症では保険適用されないため注意が必要です。
リベルサスのダイエット効果はいつから現れる?健康や美容への影響は?
リベルサスは食欲を抑制し、血糖値の上昇を防ぐことでダイエット効果が期待できる薬剤ですが、具体的にどの程度の効果が期待できるのでしょうか。
また、健康や美容に対する影響についても気になるところです。ここでは、リベルサスの効果について、特にその現れ方や健康・美容に対する影響について詳しく解説します。
効果が現れるまでの目安は3ヵ月
リベルサスの効果が現れるのは、一般的な目安としては服用を始めてから3ヵ月程度です。この期間中に食欲が抑制され、体重が減少し、血糖値も安定することが期待されます。
ただし個人差があり、効果の有無・程度は、人によって異なります。
投与後3カ月にBMIが減少した症例は65例(69.9%),増加した症例は26例(28.0%),不変は2例(2.2%)であった。
遅野井健, et al. 2 型糖尿病患者における経口セマグルチドの薬効プロファイルの検討. 診療と新薬, 2023, 60.1: 52-62.
生活習慣を整えるとより効果を発揮
リベルサスは肥満症の治療に有効な薬剤ですが、ただ薬を飲むだけでなく生活習慣の改善も重要です。適度な運動やバランスの良い食生活を取り入れることで、リベルサスの効果をより活かすことができます。
また、リベルサスはあくまでもサポート。食欲を完全に抑えるわけではありません。過剰な飲食を続けると、リベルサスの効果も限定的となることがあるため、生活習慣の改善と併せたリベルサスの適切な使用が大切です。
リベルサスの効果がでない!原因と対処法は?
リベルサスのダイエット効果を十分に得るためには、正しい服用方法や生活習慣の改善が必要です。
しかし、中には効果が現れにくい場合もあります。ここでは、リベルサスの効果が出ない原因と対処法について詳しく解説します。
食事量を見直す
リベルサスを使用しているにも関わらず効果が現れない場合、食事量が原因かもしれません。リベルサスは食欲を抑制する効果がありますが、食事量が多い場合には効果が薄れることがあります。
そのため、摂取カロリーを減らすことが必要です。また、食事内容も見直し、低カロリーで栄養価の高い食事を心がけることが重要です。
正しい摂取タイミングを守る
リベルサスは、空腹時に服用することで効果を発揮します。食前に服用しなかったり、飲み忘れたりすることがあると効果が得られない場合があるので注意しましょう。
正しい摂取タイミングを守りながら、生活習慣の改善にも取り組むことで、リベルサスの効果を最大限に引き出すことができます。
容量を増やしてみる
効果がでない場合、リベルサスの容量を増量してみることも一つの対処法です。ただし、自己判断で容量を増やすことは避け、必ず医師の指示を仰ぎましょう。
また、リベルサス単独での効果が期待できない場合は、食事内容や運動習慣などの生活習慣を見直すことも大切です。定期的な健康診断や医師との相談を行い、適切な対処を心がけましょう。
リベルサスの注意点!リスクや副作用はある?
ここでは、リベルサス服用上の注意点について解説します。
リベルサスには副作用のリスクがあるため、安全かつ健康的にダイエットするためにも、正しい服用方法や注意点を把握することが重要です。
胃腸障害
リベルサスの副作用として、胃腸障害が報告されています。
具体的には吐き気、下痢、腹痛、消化不良などがあります。これらの症状が発生した場合は、医師に相談することが大切です。また、自己判断で薬を増やすことは避け、処方通りに服用しましょう。
低血糖
GLP-1受容体作動薬のリベルサスは、血糖値を下げる作用があるため、血糖値が低下しすぎる、低血糖を引き起こす場合があります。
低血糖の症状には、めまい・発汗・頭痛・ふるえ・意識障害などがあります。低血糖のリスクを減らすためには、リベルサスを使用する際には医師の指示に従い、食事や運動などの生活習慣を調整することが重要です。
膵炎
リベルサスには、膵炎(すいえん)のリスクが伴うことがあります。特に、膵臓に炎症を起こす急性膵炎の既往歴がある人や、膵臓の疾患を患っている人は、リベルサスの使用に注意が必要です。
また、重篤なアレルギー反応や腫瘍の発生など、稀に重篤な副作用が報告されています。
リベルサスの3つの注意点
リベルサスは効果が高い反面、注意点も存在するため、医師の指示に従って適切に使用することが必要です。
ここでは、リベルサスを使用する際に注意すべき3つのポイントについて解説します。
個人輸入はNG
リベルサスは、厚生労働省の承認を受けた処方箋医薬品です。適切な使用方法や適量については医師の指示に従うことが重要ですが、中には費用を抑えようと個人輸入で入手しようと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、リベルサスの自己判断での使用や個人輸入は大変危険です。正規のルートを通さずに薬を手に入れることは、偽薬や劣悪品を使用するリスクがあるだけでなく健康被害を引き起こす可能性があります。
海外からの個人輸入は避け、安全な方法で医師の指示に従い、リベルサスを使用するようにしましょう。
中断するとリバウンドすることも
リベルサスの服用を中止すると食欲が戻り、体重が増える可能性があります。
なぜなら、リベルサスを服用中は食欲が抑えられ、体重が減ったとしても、リベルサスの服用を中止すると元の食欲に戻ってしまうことが考えられるためです。
リベルサスを服用している方は、リベルサスを服用を続け、体重を維持することが大切です。また、リベルサスの服用を中止する場合は医師に相談して徐々に減量していくようにしましょう。
体質に合わない人もいる
リベルサスに含まれる有効成分に対してアレルギー反応を起こす場合や、副作用が強く出る場合があり、免疫系に影響を与えるため、感染症にかかりやすくなることがあります。
そのため、体調が悪い場合や感染症にかかっている場合は使用を中止する必要があります。
治療を開始する前に医師に自分の体質やアレルギー歴を正確に伝え、リベルサスが自分に適しているかどうかを確認することが重要です。
まとめ
リベルサスの効果は個人差がありますが、一般的には3ヵ月ほどで現れることが期待されています。ただし、リベルサスはあくまでも薬であり、効果を実感するためには正しく使用することが重要です。初めて使用する場合は医師の指示に従い、用量や飲み方、食事制限などを遵守するようにしましょう。
さらに、リベルサスの効果を高めるためには適度な運動や健康的な食生活、十分な睡眠などの生活習慣の改善が不可欠です。
リベルサスによるGLP-1ダイエットを行う場合には、医師の指導を受け、正しい使い方を心がけ、健康的な生活習慣と併用するようにしましょう。