C型急性肝炎〔しーがたきゅうせいかんえん〕

 1989年、アメリカで新しい肝炎ウイルスの遺伝子の一部が発見され、C型肝炎ウイルスと名づけられました。以前より、輸血後に生じる急性肝炎や慢性肝炎のなかにA型でもB型でもなく、血液、体液を介して感染する肝炎ウイルスが関与しているものがあると推定され、「非A非B型肝炎」と呼ばれていました。
 その後の研究により、輸血後非A非B型急性肝炎の約90%、輸血などの原因のはっきりしない、散発性非A非B型急性肝炎の約40%がC型肝炎であると判明しました。このウイルスもB型肝炎ウイルスと同様に、血液、体液を介して感染し、一過性感染と持続感染の2つの形態をとります。
 輸血後急性肝炎症例についていうと、約30~40%が一過性感染で終了しますが、残りの約60~70%の症例が慢性化します。また、一部の症例では劇症肝炎へと進行します。
 なお、輸血用血液に対してはHCV抗体を用いたスクリーニングが導入されており、現在、輸血後肝炎の発生はほとんどみられなくなっています。

[症状]
 輸血後肝炎症例で検討すると、潜伏期間は2~16週です。症状はほかの急性肝炎と同様ですが、A型、B型肝炎にくらべると軽い例が多く、血液検査ではじめて認識されることもあります。

[診断]
 C型肝炎ウイルスが体内に侵入したことで抗体(HCV抗体)が産生されますが、ウイルスの感染から抗体陽性となるまでには約1カ月かかります。したがって、初期における診断はウイルスの遺伝子であるHCV-RNAを測定することで得られます。

[治療]
 A型肝炎に準じます。慢性肝炎への移行を抑えるために抗ウイルス薬であるインターフェロンの使用がすすめられています。C型肝炎ウイルス

[予防]
 いまだ感染防御抗体の存在はあきらかでなく、ワクチンも存在しないため、C型肝炎に対する免疫状態をつくりだすことはできません。したがって、感染を予防するには、B型肝炎と同様、C型肝炎ウイルス感染者の血液や体液に直接触れないことが大切です。出産時の母親から子どもへの感染や性行為による夫婦間感染は、ごくまれであると考えられています。
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