脾機能亢進症〔ひきのうこうしんしょう〕

 門脈圧亢進症によって脾腫を生じると、脾臓の本来のはたらきである血球を破壊する機能が亢進して、赤血球・白血球および血小板の減少(汎血球〈はんけっきゅう〉減少症)をきたします。

[症状]
 貧血と出血傾向がみられます。門脈圧亢進症の原因となる病気の症状がこれに加わります。出血傾向によって下腿(かたい)前面に出血斑を生じやすく、この状態が長期間続くと、くり返す皮下および皮内の出血の吸収によって、同部に色素沈着を生じます。門脈圧亢進症では食道静脈瘤(りゅう)を伴うことも多く、これが破裂して吐血・下血を起こします。
 脾機能亢進症によって赤血球がこわされやすくなると、赤血球の寿命が短くなります。その結果貧血が生じ、そのほか、酸素を運ぶはたらきをしているヘモグロビンがたくさん血中に出てきます。ヘモグロビンはヘモジデリンから肝臓でビリルビンに代謝され、胆汁中に排泄(はいせつ)されます。脾機能亢進症によってビリルビン代謝も亢進します。脾機能亢進症が長く続くと、ビリルビンカルシウムが胆嚢(たんのう)内に沈着し、胆石を生じます。この胆石はまっ黒な色をした金平糖状をしており、門脈圧亢進症に特徴的な結石です。

[治療]
 脾機能亢進症による汎血球減少症に対しては、脾臓摘出術をおこないます。この手術の際に、胃に静脈瘤があれば胃上部血行遮断術をあわせておこないます。食道静脈瘤はいったん破裂すると生命にかかわるので予防が大切です。内視鏡でくり返し観察するとともに太い静脈瘤に対しては、内視鏡下に静脈瘤をしばることができます。現在は食道静脈瘤に手術はほとんど不要となりました。
医師を探す