食塩制限をする

 食塩制限の6g未満の6gは、天然の食品に含まれている食塩も含んだ量です。食べている量によっても違ってきますが、わたしたちは、卵や牛乳などから1日約2gの食塩をとっています。したがって、実際には調味料や加工食品からのとれる食塩は4gとなります。しかし平成25年度の「国民健康・栄養調査」の結果では、日本人は平均1日あたり9.8gの食塩をとっています。
 1日あたり6gを達成するには、約半分に減らせばよいことになります。調味料を半分にすることは簡単にできますが、パンやハム、ソーセージ、チーズ、ちくわなどの加工品からの食塩を減らすには、それらからとっていたエネルギーやたんぱく質を、食塩のないものに変えなければならないことになり実際にはむずかしいでしょう。
 では、食塩を1日あたり6gにするのにはどうしたらよいでしょうか。そのためには、まず2つの知識が必要になります。1つは、日ごろ使っているしょうゆやみそ、カレールーなどの調味料、パンやハム、ソーセージ、チーズ、干物にはどのくらいの食塩が入っているかを知るということです。もう1つは、食塩をどんな食品からとっているかを知ることです。これらを把握するとどこを改善したらよいかがわかるからです。

□調味料に含まれる食塩量
 調味料に含まれる食塩量をみてみましょう。

●おもな食品に含まれる食塩相当量
食品名目安量重量
(g)
食塩相当量
(g)
調味料
食塩小さじ155.0
こいくちしょうゆ小さじ160.9
うすくちしょうゆ小さじ161.0
減塩しょうゆ(こいくち)小さじ160.5
だししょうゆ小さじ160.4
米みそ・淡色辛みそ小さじ2121.5
ぽん酢しょうゆ小さじ160.3
焼き肉のたれ大さじ1181.5
めんつゆ(三倍濃厚)大さじ1171.7
ウスターソース大さじ1181.5
ウスターソース(中濃)小さじ1181.0
オイスターソース大さじ1192.2
トマトケチャップ大さじ1180.6
マヨネーズ(全卵型)大さじ1140.3
フレンチドレッシング大さじ1150.5
和風ドレッシングタイプ(ノンオイル)大さじ1151.1
顆粒和風だし小さじ141.6
固形ブイヨン約1個52.2
穀類
食パン6枚切り1枚600.8
魚介類
まあじ(開き干し)-生1枚601.0
めざし-生4尾300.8
塩ざけ(切り身)1切れ601.1
うなぎ-かば焼1切れ600.8
しらす干し-微乾燥品大さじ150.2
さけ(水煮缶詰)1/4缶500.3
たらこ-生注1腹803.7
まぐろ(油漬、フレーク、ホワイト)-缶詰小1/2缶400.4
焼き竹輪小1本300.6
かに風味かまぼこ3本501.1
さつま揚げ注1枚400.8
はんぺん1/2枚600.9
肉類
ハム(豚)・ロース1枚200.5
ソーセージ(豚)・ウインナー2本300.6
ベーコン(豚)・ロース1枚200.4
焼き豚1枚200.5
乳類
プロセスチーズ小1個250.7
油脂類
ソフトタイプマーガリン(家庭用)大さじ1100.1
有塩バター大さじ1100.2
漬物・佃煮類
きゅうり-ぬかみそ漬4切れ301.6
なす-塩漬4切れ300.7
はくさい-塩漬1人分501.2
はくさい-キムチ1人分300.7
たくあん漬・塩押し大根漬3切れ301.3
らっきょう-甘酢漬1人分200.4
梅干し-塩漬1個102.2
梅干し-調味漬1個100.8
ひとえぐさ-つくだ煮1回分100.6
こんぶ-つくだ煮1回分100.7
いか・塩辛 1回分100.7
調理済食品
ハンバーグ-冷凍1個500.6
即席中華めん-油揚げ-味付け1袋1006.4
カレー・ビーフ(レトルト)1袋2002.6
ミートソース1缶1001.5
トマト・ミックスジュース(食塩添加)-缶詰1缶1900.4
菓子類
しょうゆせんべい中2枚300.6
ポテトチップス100.1
くし団子(しょうゆ)1串500.3
いか・さきいか201.4


 塩は小さじ1杯が5gです。しょうゆ(こいくち)は小さじ1杯が6gで食塩量は0.9g、みそは小さじ2杯が12gで食塩量は1.5g、中濃ソースは大さじ1杯が18gで食塩量は1gに相当します。この表で使っている大さじは15mL、小さじ5mLです。はかるときには、粉物(塩、顆粒調味料など)はよくふるって軽くつめてすりきりではかり、液体は表面ぎりぎりではかります。マヨネーズやみそは、ヘラなどできっちりつめた状態ですりきりではかります。
 加工食品は、製品によって食塩量がかなり違うので注意が必要です。それぞれに食塩量の表示があるので、実際にはその数値を見るようにするといいでしょう。食塩の化学名は塩化ナトリウムといい、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)からできた物質です。このうち、高血圧の発症に関係する成分はナトリウムです。食塩がナトリウムの量で表示されている場合には、下記の計算式で食塩相当量を知ることができます。計算が面倒であれば、ナトリウム400mgが食塩1gと覚えておくと簡単です。

●ナトリウムから食塩量を求める計算式
 ナトリウム量(mg)×2.54÷1000 = 食塩(g)


 次にわたしたちがどんな食品から食塩をとっているかをみてみましょう。平成25年度「国民健康・栄養調査」の結果では、食塩の約7割をしょうゆやみそなどの調味料からとっています。簡単に減塩する方法として、ふだん使っている調味料を3分の1にすることができれば、5.4gとなります。

 しかし、このなかで減らすのがむずかしいものが「その他の調味料」です。これにあたる調味料はコンソメの素、和風だしの素、めんつゆ、カレールーなどですが、どれも一律に半分にすると、味が薄くなると同時においしさも半減してしまいます(この対策は後述します)。
 次に加工食品からの食塩量を見てみましょう。1日に3.2gです。4gを達成するには調味料を3分の1にすることに加え、加工食品からの食塩量は0.6gにしなければなりません。漬物・佃煮をやめ、魚は塩蔵品(干物、みりん干しなど)をやめ、生鮮品にします。食パンやハム、ウインナソーセージ、ちくわ、チーズに含まれる塩も意外に多く、とりすぎに注意が必要となります。「お酒のおつまみ」となるさきいか、いかの燻製(くんせい)、ナッツ類、間食に食べられているスナック菓子は食塩のとりすぎになる落とし穴になりますので注意しましょう。めやすとしてはパンを食べた日は加工食品を控え、パンを食べなかった日は加工品は1日に1回をめやすにとどめるのが基本的な姿勢となります。

□食塩制限食をおいしくする工夫
 家庭でおこなうときの工夫をまとめます。
 1.酸味(酢、レモン、ポン酢、ゆずなど)や香辛料や香味野菜(しょうが、ねぎ、しその葉、ミント)を利用し薄味を補います。
 2.旨味を生かすおいしいだしをじょうずに使うようにします。市販の和風だしやコンソメの素の多くは食塩を含んでいますので、使わないほうがいいでしょう。市販でも無塩のものを選ぶか、時間のあるときに和風だしや、コンソメスープをまとめてとり、冷凍しておく方法もあります。冷凍する場合は製氷皿などでつくりキューブ状にするか、ペットボトルでつくると扱いやすくなります。
 3.焦げやサクサクした食感を生かすようにします。
 4.カレールーの素、麻婆豆腐の素などの調味料は規定量の半分にします。もの足りなさを補うには、肉の量をふやしたり、たまねぎ、ねぎ、しょうがのように旨味や香味のある野菜をふやすなどの工夫をします。たとえばカレーであれば、炒った小麦粉を用いてとろみをつけたり、具を炒めるときにカレー粉をまぶすなどの工夫をします。あるいは、複合調味料を使った日は加工品を使わないようにします。