心臓ペースメーカー

 不整脈のなかでも、房室ブロックや洞不全症候群という徐脈(1分間の脈拍数が30や40、あるいは脈拍が停止することもある)で、アダムス・ストークス症候群といって失神したり、めまい、ふらつきや心不全を起こす場合、脈拍をふやすために心臓を微少の電気で刺激する器械です。心臓の歩調(ペース)をとるもの(メーカー)という意味です。
 仕事や運動したりするときには脈を1分間に70~90と速くしたり、寝ているときは50などと自動的に調節したりできます。心房と心室をともに刺激して自然の心臓の動きにしたりします。
 鎖骨の下の静脈からリード線(電極)を心臓まで入れ、それを電気の刺激を発生する本体に接続し、全体を皮下に植え込むわけですが、手術は簡単でX線室で1~3時間で終わります。
 リード線は3mmくらいの太さでシリコーンゴムなどでおおわれています。本体の中にはごく小さいコンピュータとリチウム電池が入っています。重さは約30g以下で、直径4~5cm、厚さは5mmくらいの円板状で、チタニウムという金属のカプセルに入った高度なエレクトロニクス製品で、心臓の動きに応じて必要な電気刺激を発信するインテリジェント(賢い)器械です。電極は半永久的なものですが、本体は電池寿命が4~8年くらいです。交換手術を必要としますが、簡単に終わります。
 徐脈でアダムス・ストークス症候群を起こすのを予防したり治療したりするすぐれた器械で、逆に1分間100を超える頻脈を治療するペースメーカーもあります。このごろは頻脈から心室細動という恐ろしい死に至る不整脈に対して、植え込み型除細動器(ICD)をペースメーカーと同様に植え込む治療があります。これによって突然死が防げるようになりました。
 このような医療器械をME機器といいますが、メディカル・エレクトロニクス(医用電子工学)を応用した人工臓器の一つです。
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