男性不妊症〔だんせいふにんしょう〕

 不妊症とは「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、性生活をおこなっているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合」と定義されています。日本では避妊をしていない状態で1年以上経過しても妊娠が成立しない場合に不妊症と診断されることが一般的です。原因が女性にある場合、男性にある場合、原因不明の場合があります。男性側に不妊症の原因がある場合には泌尿器科医師による診察が必要です。不妊症
[原因][検査]
 精液量や、精液を顕微鏡で観察して精子の濃度や運動している精子の割合(運動率)、異常な形状の精子の割合(奇形率)などを調べます。
 精子が少なくなる原因として、精巣(睾丸〈こうがん〉)の精子をつくる機能が低下している場合、精巣上体(副睾丸〈ふくこうがん〉:精巣の上部にある組織)の異常により精子の成熟が障害を受けている場合、精管(精子の通り道)が閉塞している場合などがあげられます。精子は一度放出されると元の数に戻るまで3~4日かかるので、精液検査の前には4日くらいの禁欲期間が必要です。
 また、性機能障害(ED)のために性交渉ができなかったり早漏(そうろう)のために腟(ちつ)内に精液がうまく入らない場合も不妊症の原因となります。
 精子は子宮の中を通過するあいだに受精する能力を獲得します。この過程になんらかの異常が起こると卵子と精子が受精しないことになります。これを調べるための特別な検査法はありますが、厳密には体外受精をおこなってはじめてわかるものです。
 精液検査で異常をみとめた場合には、精索静脈瘤(りゅう)の有無、血液中の男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)、場合によってはプロラククチンを調べます。また、精子数が極端に少なかったり無精子症の場合には染色体検査や遺伝子検査をおこなうことがあります。ほかに、精子の機能を調べる検査、精嚢や射精管の形態を調べるMRIなどの特殊な検査が病状にあわせておこなわれます。
[治療]
 原因や病状に応じて、薬物による内科的治療や手術による外科的治療がおこなわれます。また、人工授精をおこなうこともあります。
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