神経系の病気には大きく分けて、次のような病気があります。
■症状から見た脳神経内科(神経内科)の病気
意識障害、認知症、記憶障害、思うことがことばにならない、人のいうことばが理解できない、頭痛、顔面痛、くびの痛み、四肢の痛み、四肢の感覚がにぶい、ジンジンする、味覚がない。
力が入らない、片まひ、対まひ、顔面筋まひ、ふるえる、手足がかってに動く、運動がおそい、バランスがわるく転びやすい、第一歩が出ない、歩くとすぐに小走りになってしまう。
けいれんをくり返す、視野がぼやける、きらきら光ったものが見える。
■病気の場所から見た脳神経内科(神経内科)の病気
大脳、中脳、小脳、大脳基底核、橋(きょう)、脳神経、延髄、脊髄、末梢神経、自律神経、筋。
■病気の原因から見た脳神経内科(神経内科)の病気
①血管障害:
脳梗塞、脳出血、
くも膜下出血、硬膜下出血、静脈洞血栓など
②感染症:
脳炎、
髄膜炎、
梅毒、ウイルス性疾患、
プリオン病など
③腫瘍:原発性腫瘍、転移性腫瘍
④脱髄疾患:
多発性硬化症、
急性散在性脳脊髄炎、
白質ジストロフィー
⑤変性疾患:
アルツハイマー病、
脊髄小脳変性症、
パーキンソン病、
ハンチントン病など
⑥代謝性疾患:リピドーシス、糖たんぱく代謝異常、アミノ酸代謝異常、金属代謝異常など
⑦中毒:金属中毒、有機物質中毒、薬剤中毒
⑧発作性疾患:
てんかん、失神、
メニエル病、頭痛、ナルコレプシーなど
⑨先天性疾患:
脊髄空洞症、アーノルドキアリ奇形、母斑症
⑩脊髄疾患:
変形性頸椎症、
椎間板ヘルニア、脊髄血管障害、HAMなど
⑪末梢神経疾患:
多発神経炎、
ギラン・バレー症候群など
⑫筋疾患:筋ジストロフィー症、筋緊張症候群、
周期性四肢まひ、
重症筋無力症
病気の場所と原因は縦糸と横糸の関係にあり、時には原因と結果の関係になることもあります。
以上のように羅列すると、たくさんあり複雑きわまりないようにみえます。実際には症状と、その時間経過から的をしぼり、検査によって場所と原因を確実に診断していきます。このように診断を理論的に整然と進めていくと、容易に結論に達するものです。
(執筆・監修:一口坂クリニック 作田 学)