頭痛の国際分類について 家庭の医学

解説
 頭痛の国際分類は、1962年にアドホック委員会が報告したものが長く使われてきましたが、1998年に新しい国際分類が報告され、国際的に普及してきました。さらに2013年に第3版(β版)、2018年1月に第3版が出されました。それによると次のように分類されています。

 1.片頭痛
 2.緊張型頭痛
 3.三叉(さんさ)神経・自律神経性頭痛
 4.その他の1次性頭痛疾患
 5.頭頸(とうけい)部外傷・障害による頭痛
 6.頭頸部血管障害による頭痛
 7.非血管性頭蓋内疾患による頭痛
 8.物質またはその離脱による頭痛
 9.感染症による頭痛
 10.ホメオスタシスの障害による頭痛
 11.頭蓋骨、頸(くび)、眼、耳、鼻、副鼻腔(ふくびくう)、歯、口あるいはその他の顔面・頸部の構成組織の障害による頭痛あるいは顔面痛
 12.精神疾患による頭痛
 13.脳神経の有痛性病変およびその他の顔面痛
 14.その他の頭痛性疾患

 1~4は1次性頭痛、5~12は2次性頭痛、13、14が神経痛などです。
 1の片頭痛はさらに前兆を伴う頭痛と、伴わない頭痛に分類されます。前兆を伴う片頭痛はこれまで典型的片頭痛といわれてきたものと同じで、前兆を伴わない片頭痛は普通型片頭痛といわれてきたものです。
 2の緊張型頭痛は緊張性頭痛、筋収縮性頭痛、心因性頭痛、ストレス頭痛などといわれてきたものの総称です。これはさらに圧痛を伴うものと、伴わないものに分類されます。
 3に含まれる群発頭痛は片側の目の周囲に15~180分続く疼痛(とうつう)を生じるもので、結膜充血、涙、鼻閉、鼻水、ひたいの発汗、縮瞳(しゅくどう)、眼瞼下垂(がんけんかすい)、眼瞼浮腫などを伴います。反復性群発頭痛は群発時期と寛解期がはっきり分かれ、慢性群発頭痛は寛解期があきらかでないものをいいます。いっぽうで、慢性発作性片側頭痛は群発頭痛と同様の症状ですが、高頻度(1日5回以上)、短時間(2~45分間)で女性に多く、インドメタシンが特効薬という特徴があります。
 また、慢性頭痛は1カ月以上にわたり同様の症状が続くものをいいます。1~4はこれにあたります。

(執筆・監修:一口坂クリニック 作田 学)