人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って作製した心臓組織で、致死性不整脈の再現に成功したと、京都大の山下潤教授らの研究グループが23日発表した。突然死の原因となる不整脈の治療法の開発につながると期待され、論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。
 研究グループは、突然死の危険がある不整脈を起こしやすい人は、心筋量が減少し線維化する点に着目。iPS細胞から作った心筋細胞に異なる細胞を混ぜ合わせ、厚みのある3次元構造にした。
 そこに試薬を投与したところ、致死性不整脈に特徴的な脈が確認されたという。日本で年間約2万人に上る心臓突然死の多くは、致死性不整脈が原因と考えられている。
 山下教授は「複数細胞と厚みのある構造の両方を用いたことで、初めて再現に成功した」と説明。新薬を開発する際、不整脈の副作用が起こらないか安全性の評価にも役立つという。 (C)時事通信社