建設現場で建材に含まれるアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどを発症したとして、元建設労働者や遺族計61人が国と建材メーカー43社に計約16億7500万円の損害賠償を求めた横浜アスベスト訴訟第2陣の判決が24日、横浜地裁であった。大竹優子裁判長は国が適切な規制をせず、メーカー2社は石綿を含む建材に警告を表示する義務を怠ったとして、計約3億600万円の支払いを命じた。
 同様の集団訴訟は全国6地裁で争われ、メーカーの責任を認めたのは京都地裁に続き2件目。国の責任は横浜訴訟第1陣を除き認められている。
 大竹裁判長は、国は遅くとも1974年には危険性を認識できたと指摘。メーカー43社は76年以降、「建材の外装・包装などに警告を表示する義務を負っていた」と認めた。
 その上で、労働者が下請け作業に従事するなど「どのメーカーの製品によって被害を受けたか強く推認できる場合に賠償を認める」と判断。43社のうち、ノザワ(神戸市中央区)は原告8人に計約9000万円、ニチアス(東京都中央区)は原告2人に計約1800万円を支払うよう命じた。
 昨年1月の京都地裁判決は、石綿含有建材で一定以上のシェアを持つメーカーは原告に被害を与えた可能性が高いとして、病気との因果関係を一律に認めていた。
 原告で元タイル工の中山博道さん(64)は記者会見で、「判決はうれしいが亡くなった仲間もいる。少しでも早く決着してほしい」と早期の全面解決を求めた。弁護団は判決を評価しつつ、一部の原告だけに賠償が認められたとして控訴する方針を示した。
 厚生労働省石綿対策室の話 厳しい判決。内容を十分検討し、関係省庁と協議して対応する。
 ノザワ総務部の話 地裁判決が企業責任を認めたのは残念。
 ニチアス広報課の話 当社の主張が一部認められなかったことは遺憾。 (C)時事通信社