建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんなどを発症したとして、神奈川県の元建設労働者と遺族89人が国と建材メーカー43社に総額約28億円の損害賠償を求めた第1陣集団訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。永野厚郎裁判長は、原告側敗訴とした一審横浜地裁判決を変更し、国とメーカー4社に対し62人に計約3億7000万円を支払うよう命じた。
 全国に14ある同種訴訟で高裁判決は初めて。既に判決が出た7件の一審を含めると、メーカーの責任を認めたのは3件目。国側敗訴は7件目となり、今後の裁判にも影響を与えそうだ。
 4社は、エーアンドエーマテリアル(横浜市)、ニチアス(東京都)、エム・エム・ケイ(東京都)、神島化学工業(大阪市)。
 永野裁判長は、国が石綿の危険性を認識していた1981年までに、防じんマスクの使用を事業者に義務付けなかったのは違法と判断。建材メーカーも危険性を警告する義務があったとし、市場シェアなどから4社に賠償を命じた。
 個人事業主の「1人親方」については、労働関連法令の適用対象外だとして、メーカー側のみ賠償を命じた。
 判決後に記者会見した原告側弁護団は「国はこれ以上解決を先延ばしすべきではない」と述べ、メーカーにも負担を求める新たな救済制度の創設を求めた。
 エーアンドエーなどは「誠に遺憾。判決文を精査して今後の対応を検討したい」とコメントした。 (C)時事通信社