さまざまな薬剤を包む微粒子を、血糖値の変動を利用して脳に送り込む技術を開発したと、東京医科歯科大の横田隆徳教授や東京大の片岡一則特任教授らの研究チームが1日発表した。将来は脳腫瘍や認知症、うつ病、統合失調症などの治療薬に応用できる可能性があるという。
 東京医科歯科大発のベンチャー企業「ブレイゾン・セラピューティクス」(東京都文京区)が、製薬会社と共同でこの技術を利用した薬剤の研究開発を進め、5~8年後の臨床試験開始を目指す方針。研究成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
 脳血管では血液中の物質が脳に漏れ出ないよう、血管内皮細胞同士の隙間が封鎖されるなどの「血液脳関門」がある。有害な物質が流れるのを防ぐ役割があるが、薬剤を送り込むのが難しい。
 研究チームは、空腹になり血糖値が下がると、脳のエネルギー源であるブドウ糖(血糖)が、いったん血管内皮細胞の中に取り込まれてから脳に流れやすくなることを利用。微粒子の表面にブドウ糖を結合させることで、脳に送り込む割合を飛躍的に高めた。 (C)時事通信社