体が目覚めている昼間に負った傷ややけどは、夜間に負傷した場合に比べて早く治る可能性があると、英MRC分子生物学研究所などの研究チームが9日、米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。
 傷ややけどを負った直後に周囲から皮膚の線維芽細胞が集まり、コラーゲンを生み出して蓄積するペースが、昼間の方が速いためとみられる。遺伝子の働きが約24時間周期で変動する細胞レベルの体内時計が関与しており、将来は手術の際に薬物で体内時計を調節すれば、早く治るかもしれないという。
 英国のやけど患者118人(18~60歳)の治療記録では、午後8時~午前8時にやけどした患者がほぼ完治するまでに平均28日かかったのに対し、午前8時~午後8時にやけどした患者は同17日しかかからなかった。
 体内時計の中枢は脳にあり、目で昼間の明るさを感知して昼夜の周期に合わせる一方、全身の細胞レベルの体内時計を統合している。研究チームが夜行性のマウスで実験したところ、活動時間帯に皮膚を負傷した場合、周囲から集まる線維芽細胞が休息時間帯に負傷した場合に比べ、約2倍多かった。 (C)時事通信社