抗生物質の過剰な服用で腸内の細菌群が乱れると、口や腸などに生息する普段は無害な細菌「肺炎桿菌(かんきん)」により、慢性腸炎が起きる可能性があることが分かった。慶応大の本田賢也教授や早稲田大の服部正平教授らが11日までに米科学誌サイエンスに発表した。
 肺炎桿菌は高齢者や入院患者に肺炎や尿路感染症などを引き起こすことが知られていた。研究チームは抗生物質の過剰な服用に注意を呼び掛ける一方、肺炎桿菌を標的とする抗生物質を開発できれば、潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性腸炎の新薬になるとの見方を示した。
 腸内細菌群が正常なマウスに肺炎桿菌を投与しても腸管で増殖しなかったが、抗生物質とともに投与する実験では増殖。さらに肺炎桿菌に対応し、過剰に活性化すると炎症を引き起こす免疫細胞の一種「TH1細胞」も増えた。腸炎のマウスに肺炎桿菌を投与すると、強い炎症が起きた。 (C)時事通信社