【ニューデリー時事】急速な経済成長に伴い、大気汚染に悩まされているインドの首都ニューデリーでは今月に入って、汚染が深刻化している。専門家は「呼吸器への影響は1日に50本のたばこを吸うのと同等」と警告。当局は、排ガスが汚染原因とされる自家用車の通行規制を検討するなど、対策に頭を悩ませている。
 ニューデリーでは秋から冬にかけ、農家の野焼きの煙や自動車の排ガスなどが滞留し、大気汚染が悪化する。世界保健機関(WHO)が昨年公表した調査では、微小粒子状物質PM2.5の年平均濃度は北京の約1.4倍。在印米大使館が公表するPM2.5の基準値は、7~10日午後まで6段階で最悪の「危険」を記録し続けた。
 市内はスモッグでかすみ、交通事故が頻発。大学生アサルブ・シンさん(18)は10日、取材に対して「今年は昨年よりひどい」と顔をしかめた。
 地元当局は12日まで市内の全小学校を休校にした。また、一時は13~17日に市内への自家用車の一部乗り入れ規制を実施すると発表。ただ、国家機関から効果を疑問視され、撤回に追い込まれるなど対策に苦慮している。
 全インド医科大のグレリア理事長は地元紙に「ニューデリー首都圏では毎年、最大3万人が大気汚染による呼吸器障害で死亡している」と指摘した。その上で、公共交通の利用促進など抜本的対策の必要性も強調した。 (C)時事通信社