原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地中深くに埋める最終処分場の建設事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は14日、さいたま市で行った意見交換会の参加者を募集する際、委託先の業者が一部学生に「参加すれば1万円の謝金を支払う」と伝えていたと発表した。意見交換会は、処分場建設に適性のある地域を国が示した全国地図「科学的特性マップ」に関して説明するため行われている。
 同機構の中村稔専務理事らが14日に記者会見を開き、謝金は実際には支払われなかったと説明。しかし、意見交換会は核のごみの最終処分事業への理解を求める目的で行っており、「活動の公正性について不信感を招きかねない」(宮沢宏之理事)として謝罪した。
 機構によると、6日にさいたま市内で開催した意見交換会で学生の1人が謝金をもらえるとの話を知人から聞いて参加したと発言。機構が調査したところ、委託先業者が一部の学生に「参加すれば謝金を支払う」と伝えていたことが分かった。委託先の働き掛けで学生12人が参加していた。
 機構は、謝金を支払う形での参加者募集は行わないことを委託先に周知していたが、この業者の社内管理が不徹底だったとしている。
 ほかの意見交換会では、謝金による動員は行われていなかったという。ただ、この業者は学生サークルに対し、会議室の提供や印刷代行などの活動支援を見返りに参加を呼び掛けることも行っており、東京など4会場で行われた意見交換会に計27人の学生が参加していた。 (C)時事通信社