人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使ってアルツハイマー病患者の細胞を再現し、既存の薬3種を組み合わせて原因物質を3割以上減らす方法を発見したと、京都大iPS細胞研究所の近藤孝之特定拠点助教らのグループが発表した。論文は21日付の米科学誌セル・リポーツに掲載された。
 アルツハイマー病は、たんぱく質「アミロイドベータ」が脳内に長期間蓄積することが一因と考えられている。
 研究グループは、患者の皮膚と血液から作ったiPS細胞を大脳神経細胞に変え、病気の状態を再現。既存薬1258種からアミロイドベータを低減する効果がある3種の組み合わせを選んだ。3種はパーキンソン病などの薬「プロモクリプチン」とぜんそく薬「クロモリン」、てんかん薬「トピラマート」。
 遺伝性のアルツハイマー病患者5人と遺伝性でない患者4人、健康な4人のiPS細胞から大脳神経細胞を作製して効果を調べた結果、遺伝性患者は健康な人に比べアミロイドベータ量が3~4割程度まで、遺伝性でない患者は6割程度まで減った。どのような仕組みで効果が表れたかは不明という。
 近藤さんは「アルツハイマー病の薬は長期間飲む必要があり、安全性が分かっている既存薬で研究した」と説明し、治療薬の開発進展に期待した。 (C)時事通信社