厚生労働省は、生活保護受給者への薬の処方に関し、日常的に利用する「かかりつけ薬局」を受給者ごとに設定する方向で検討を始めた。複数の病院を受診した受給者が別々の薬局で薬を受け取るケースがあり、誤った薬の飲み合わせなどで副作用を起こす恐れがある。こうした事態を防ぐため、受給者ごとのかかりつけ薬局で一元的に管理する。同省は来年にも自治体に通知を出す。
 同省は大阪市などでモデル事業を展開中で、徐々に全国に広げていく考え。重複処方などをなくすことで医療費を適正化し、生活保護費の抑制にもつなげる。
 2017年度から同省のモデル事業を実施している大阪市と青森県では、生活保護受給者の希望や交通事情などを考慮し、受給者と薬局のマッチングを行った。東大阪市は14年から独自で始めた。複数の薬局に通っていた受給者にかかりつけ薬局を設定することにより、医療費削減の効果がみられたという。
 ただ、薬局が多い都市部と、薬局が少なくアクセスの悪いへき地では環境が異なる。このため、具体的な取り組みについては、各自治体の地域事情に合わせて進める。
 同省は医療費抑制に向け、生活保護受給者に先発薬より安い後発薬(ジェネリック)の使用を促しているが、かかりつけ薬局の設定も対策の一つ。薬局に該当の後発薬がないために先発薬を処方するケースもあるが、かかりつけ薬局を決めることで、受給者ごとに必要な後発薬を用意しやすくなる。 (C)時事通信社