厚生労働省は、生活困窮者向けの「無料低額宿泊所」を開設する事業者に都道府県などへの事前届け出を義務付ける方針を固めた。現在は事業開始後の届け出を求めているが、不適切な運営内容が見つかっても利用者保護のため行政処分をしにくい点が課題だった。事前届け出に改めることで悪質事業者の排除につなげる。2018年通常国会への社会福祉法改正案の提出を目指す。
 宿泊所は15年6月時点で全国に537カ所あり、利用者1万5600人のうち1万4143人が生活保護受給者。10年の調査と比べ、施設数、利用者とも増えた。東京都が最多で、首都圏の1都3県に集中している。
 現行では、宿泊所の開設は事業開始から1カ月以内に、立地する都道府県や政令市、中核市に届け出ることになっている。安全性が疑われる建物に住まわせたり、不当に高い料金を取ったりする「貧困ビジネス」が問題視されているが、運営が始まった後だと、宿泊者を路頭に迷わすわけにはいかないため、事業停止命令を出しにくかった。 (C)時事通信社