2018年度税制改正で焦点となっている所得税改革をめぐり、政府・与党が年金収入から一定額を差し引いて税負担を軽くする「公的年金等控除」の控除額を高所得の高齢者に限って年10万~20万円減額する方向で検討していることが29日、分かった。年金以外の収入が1000万円を超える人が対象となる見通し。
 公的年金等控除は、高齢者の税負担を軽減するため、会社員らを対象とする「給与所得控除」より手厚くなっており、年金収入が多いほど課税対象から差し引く額も増える。働いている年金受給者は給与所得控除との二重適用を受けており、「過度に優遇されている」との指摘が根強くある。
 公的年金等控除の控除額は、一律の50万円に年金収入に応じた額を上乗せして算出する。政府・与党は、年金以外の収入が1000万円を超える場合に控除を縮小する方針で、具体的には1000万円から2000万円未満で10万円、2000万円以上で20万円を減らす方向で調整している。さらに年金収入だけで1000万円を超える人は控除額に上限を設けることも検討する。
 今回の所得税改革では税制面での格差を縮小するため、公的年金等控除に加え、給与所得控除と全ての人に一律に適用する「基礎控除」も見直しの対象としている。自民、公明両党は増税となる会社員の年収額や実施時期など制度の詳細を詰めた上で、18年度税制改正大綱に盛り込む方針。実施時期は20年1月以降になる見通しだ。 (C)時事通信社