膝関節の軟骨を損傷した患者に、他人の細胞から作った組織を移植して修復する臨床試験(治験)を始めたと、大阪大の中村憲正招聘(しょうへい)教授らの研究グループが6日発表した。実用化されれば、スポーツで受けた外傷の治療や、変形性関節症の予防につながると期待される。
 関節の軟骨は、衝撃を吸収したり滑らかな運動を可能にしたりするが、損傷すると有効な治療法がなかった。
 研究グループは、関節内側の滑膜に含まれる「間葉系幹細胞」を培養し、人工組織を開発した。損傷した部分に移植すれば軟骨が修復される上、他人の細胞から組織を作ることで患者の体への負担を小さくし、コストも削減できるという。
 治験はバイオベンチャー企業「ツーセル」(広島市)が実施。他人の細胞を使った移植と従来の治療法を計70人に実施して検証する。1例目の手術は11月29日、20代の男性に行った。中村さんは治験について「3年間で終了させたい」と話した。 (C)時事通信社