国連の世界食糧計画(WFP)を支援する日本のNPO法人「国連WFP協会」の親善大使を務める女優の竹下景子さんが時事通信のインタビューに応じ、10年以上に及ぶ支援活動を振り返り「教育普及も食べることが第一歩。1人でも多くの子供が健康に育つことを願う」と語った。
 2005年からWFPの支援活動に携わる竹下さんはこれまでに、干ばつに見舞われたセネガル、台風被害後のフィリピン、内戦後の復興を目指すスリランカを訪問。今年10月には、内戦が続く南スーダンから大量の難民が避難を続けるスーダンの難民キャンプを訪れた。
 活動のきっかけは自身の小学校時代の記憶だった。給食で出された脱脂粉乳を「おいしくなく、どうして飲まなければならないのかと思っていた」と振り返る。「大人になって国連の支援物資だったと知った。1人でも多くの命がたくましく育ってくれればと、恩返しの気持ちが生まれた」と語る。
 スリランカでは、WFPの学校給食支援を受けて成長した少年と面会した。「将来は医者になって両親の生活を楽にしてあげたいと話すのを聞き、これこそ支援を通じて実現したかったことだと感じた」と目を潤ませた。「給食を楽しみに毎日学校へ通うことが、将来を担う子供たちの教育支援の第一歩だ」と強調する。
 一方で、支援の難しさにも直面した。南スーダンからの難民を受け入れるスーダン自体も貧しく、食料が十分とは言えない。国連からの物資支給は難民に限られるため、支援を受けられない地元の人々の姿に葛藤した。
 「米国第一」を掲げて国際協調を軽視する言動の目立つトランプ大統領のような存在には「不安を覚える」と話す。東日本大震災直後に訪れたロンドンで、日本の子供たちへの支援を呼び掛ける広告を目にし、「支援は(先進国から途上国への)一方通行だけではないと痛感した」。多国間協調の重要さを改めて認識したという。
 支援の拡大には「知ってもらうことが大切」と力を込める。「『ご飯が食べられたからきょうは幸せ』と感じる人の存在を伝える努力を、できる限り続けていきたい」と語った。 (C)時事通信社