国際宇宙ステーション(ISS)で19日から長期滞在を始める金井宣茂さん(41)は、医師出身として3人目の日本人宇宙飛行士。「先輩」の向井千秋さん(65)、古川聡さん(53)は「宇宙医学のバトンをつないでほしい」と期待している。
 古川さんは2011年にISSに長期滞在し、現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で宇宙医学生物学研究グループ長を務める。「研究者の気持ちがよく分かり、手となり目となって実験ができる」と医師出身の強みを説明。ISSの日本実験棟「きぼう」が10年目を迎え、成果が期待される中での長期滞在に、「ぴったりの時期に適任者が仕事をしてくれる」と太鼓判を押した。
 米スペースシャトルで宇宙飛行を2回経験し、古川さんの前任者だった向井さんも「パイロット出身の油井亀美也さん、大西卓哉さんと毛色は違うが、多様な方がチームとしての強さが出る」と指摘。「米国の月周回有人基地構想など、ISS後に向けてポジティブな雰囲気が出てきている。金井さんの視点で有人飛行に切り込んでほしい」と声援を送る。
 金井さんがISS滞在中の来年3月には、国際宇宙探査に関する閣僚級会合が東京で開かれる。2024年まで運用が決まっているISS後の宇宙開発に向け、月や火星の有人探査の可能性について議論が始まる。
 古川さんは「月なら急病人が出ても地球に戻ればいいが、火星などより遠くに行くことになれば医師は必須になる」と医学の専門知識を持った宇宙飛行士の必要性を強調。「金井さんには経験を生かし、宇宙医学研究を推進してほしい。向井さんからバトンをもらっているので、そのバトンを金井さんに渡します」と語った。 (C)時事通信社