滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、人工呼吸器を外して入院中の男性患者=当時(72)=を殺害したとして、殺人罪で懲役12年が確定、服役した元看護助手西山美香さん(37)の再審請求即時抗告審で、大阪高裁(後藤真理子裁判長)は20日、「自然死した合理的疑いが生じた」と述べ、再審開始を認める決定をした。大津地裁は15年9月に認めない決定をしていた。
 大阪高検は最高裁への特別抗告を検討する。再審開始が確定すれば大津地裁で審理される。
 後藤裁判長は、男性患者の遺体を解剖した医師の鑑定書について、人工呼吸器が外れていたとの警察の説明を前提にしており、確定判決にあるように、死因を酸素供給の途絶による低酸素状態と判定することはできないとした。
 さらに、遺体の血中カリウム濃度が異常に低く、致死性不整脈の可能性があると言及。学会で発表された論文のデータにも触れ、解剖で疾病が見つからない場合、致死性不整脈が死因である割合は「無視できるほどに少なくはない」と述べた。
 その上で、確定判決で有罪の決め手となった西山さんの自白の信用性を検討。人工呼吸器を外したのかどうかなど多くの点で変遷しており、取り調べた警察官の誘導に迎合した可能性も指摘し、酸素が途絶えたために死亡したと合理的疑いなく認められるとまでは評価できないと判断した。
 男性患者は03年5月22日、病室のベッドで心停止状態で発見され、死亡した。西山さんは04年7月、殺人容疑で逮捕された。
 西山さんは公判で否認したが、一、二審は低酸素状態により死亡したとして懲役12年を言い渡し、07年に最高裁で確定した。10年に再審請求したが退けられ、12年に再び請求していた。 (C)時事通信社