低脂肪で、栄養価が高いダチョウ肉に人気が出始めている。牛肉に代わる食材として一時、注目されたが、すぐにブームは下火に。鉄分が豊富な赤身肉で貧血予防になる上、疲労回復効果があるとされる成分が含まれ、女性を中心に再び評判を呼んでいる。
 「大手通販サイトを通じた12月の売上高は前年比で4倍に迫る勢い」と話すのは、クイーンズ・オーストリッチ・アンド・ジビエ(茨城県筑西市)の加藤瑛莉加代表。ジビエ(野生鳥獣の肉)人気を受け、牛や豚、鶏以外の食肉への抵抗感が低下しているようだ。
 同社の取引先は和食、中華、フランス料理店など幅広い。女性の注文が多く、口コミなどで評判が広まっているという。提携する美里オーストリッチファーム(埼玉県美里町)は普及に向け、無農薬の飼料にこだわる。
 畜産業の盛んな鹿児島県では、同県オーストリッチ事業協同組合が餌を工夫することで肉を柔らかくし、品質を向上させている。また、渡り鳥や回遊魚の筋肉に多く含まれる疲労回復成分がダチョウ肉に多いことに着目し、需要開拓に取り組む。安藤勝利理事長は「運動選手にも適している」と強調。世界ボクシング機構(WBO)フライ級チャンピオンの木村翔さんらに提供する予定だ。
 農林水産省によると国内の飼育数は一時1万羽近くに達した後、2013年には1900羽を割り込んだが、16年は2100羽を超えた。安藤氏は「鹿児島県だけで10年後に1万羽が目標」と意気込む。
 価格は和牛並みだが、普及すれば値頃感が出る可能性が高い。加藤氏は「安定的な供給体制が重要。処理加工でジビエ関連施設と連携し、コスト削減につなげたい」と抱負を語った。 (C)時事通信社