厚生労働省は2018年度、職員の少ない市町村が生活困窮者の自立支援事業に取り組みやすくなるよう体制を整える。就労に必要な基礎能力を身に付ける「就労準備」など実施率が4割程度にとどまる2事業が対象。複数の市町村が共同でNPOなどに事業委託する手法を取り入れることを都道府県に要請し、生活保護に至る前に手を差し伸べる仕組みを強化する方針だ。
 この仕組みは生活困窮者自立支援制度として15年4月にスタート。福祉事務所を置く全国902の自治体は、困窮者の支援プランを作る「自立相談」事業の実施が義務付けられている。
 ただ、自立相談と組み合わせた実施による効果が期待される就労準備や、家計見直しを助ける「家計相談」事業は自治体が任意で実施。就労準備では、人口50万人以上の自治体で実施率が88.4%に上る一方、2万人未満の自治体は21.0%。家計相談も同様の状況で、自治体の規模により差があるのが実情だ。
 同省の調査によると、未実施の自治体の半数以上で事業ニーズはあるが、支援対象者が少ないことや、予算や担当職員の不足を理由に挙げている。このため、実施率の高い自治体の事例などを参考に、ノウハウを持つNPOや社会福祉法人などに共同または一括委託する形式を全国の市町村に広めることにした。委託先の選定では、都道府県が市町村を支援する体制づくりも検討している。
 同省は両事業の手引の改訂にも着手。就労準備では、利用定員を15人以上とする要件を撤廃したり、初めて実施する自治体が取り入れやすい事例を載せたりする方針だ。 (C)時事通信社