サルのクローンを誕生させたと、中国科学院チームが25日、米科学誌セル電子版に発表した。サルのクローン胚からの胚性幹細胞(ES細胞)作製は2007年に米オレゴン健康科学大チームが発表したが、代理母の雌に移植して子を誕生させたのは初めてという。
 中国チームはカニクイザル胎児の体細胞から細胞核を取り出し、あらかじめ核を抜いた卵子に入れてクローン胚を作製。雌に移植して健康に育つ2匹の子を誕生させた。子の遺伝子は体細胞を採取したサル胎児と同じになる。人の遺伝性疾患の原因遺伝子をサルのクローン胚で操作し、生まれた子を調べることで、病気の仕組みを解明して治療法を開発するのに役立つという。
 この体細胞クローン技術による動物は、1996年に英国で羊の「ドリー」が誕生したのをはじめ、マウス、ラット、牛、豚、猫、犬などで誕生。クローン人間作製は、日本では01年施行の法律で禁止され、先進各国で法規制や公的研究資金を支給しない措置が取られている。
 同技術は、人の臓器や組織をクローンES細胞から生み出し、難病患者に移植する再生医療の実現を目指して研究が進められたが、山中伸弥京都大教授らが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発したため下火になった経緯がある。近年は動物の絶滅危機種を増やす手段として注目されている。 (C)時事通信社