発達障害の子どもやその家族を支えようと、東京都内の元編集者が療育グッズの販売サイトを立ち上げた。周囲の理解をなかなか得られず孤立しがちな発達障害児だが、「安心して暮らすための手伝いができれば」と新たな商品の開発にも取り組んでいる。
 子育て雑誌の編集者だった平野佳代子さん(60)が運営するサイト「トビラコ(https://tobiraco.co.jp)」では、生活や学習の場で役に立つ道具を掲載している。姿勢良く座ったり正しく鉛筆を持ったりできるデスクマットや、服をきれいに畳める練習ボードなど、特別支援学校の教員らの助言を得て開発した商品を販売。平野さんは「小さな達成感の積み重ねが成長につながる」と話す。
 一番のヒット商品は「トーキングゲーム」。カードに「好きな果物は?」「将来、どんな仕事をしてみたい?」といった質問が書かれており、引いた人の話を黙って聞くというシンプルなルールだ。「言葉の出にくい子でも、これなら安心して自分のことを話せる」と平野さん。傾聴の姿勢も身に付けられ、大学のカウンセリング室や日本語学校でも使われているという。
 平野さんは編集者時代の2013年から、発達障害の特集や連載に関わった。すると、保護者から感謝の手紙が来るなど大きな反響があった。コミュニケーションがうまくできなかったり、一つの物事にこだわりが強かったりと、それぞれに特性のある発達障害。「支援方法など情報が届いていなかったことに気付いた」という。
 雑誌の休刊を機に16年末、夫と共にトビラコを開設した。発達障害の家族がいる人や支援者の手記、インタビューなども載せ、情報共有できる場を目指す。平野さんが商品開発で大切にするのは「使いたくなるデザイン」であること。「親子で楽しめたり、気持ちが軽くなったりする物を届けたい」と意気込んでいる。 (C)時事通信社