血液中の糖を抑えるインスリンの働きを調節する遺伝子をマウスで発見したと、神戸薬科大が発表した。糖尿病やメタボリック症候群の治療薬に応用が期待され、研究チームはマウスと同様の結果が人でも得られるか確認する。論文は30日以降、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 インスリンは、空腹時には肝臓が作る糖を適量に抑え、食事の後は肝臓が余分な糖を血液から取り込むよう促す。
 研究チームは、正常な脂肪細胞に多く現れ、肥満時に減少する分子に着目。マウスや人の脂肪細胞に多く現れる遺伝子「Fam13a」が作る分子が、細胞の表面でインスリンを受け止める受容体直下の分子と結合し、細胞内に伝えるインスリンのシグナルを正常に維持していることを発見した。
 この遺伝子を持たないマウスを太らせると、インスリンの効き目が悪化し、血糖値が上昇した。遺伝子を多く持つマウスは肥満になってもインスリンがよく働き、血糖値の上昇が抑えられた。
 同じ肥満でも糖尿病などを発症しない「健康な肥満」が存在するが、「不健康な肥満」との違いは分かっていない。研究チームの池田宏二准教授は「人での検証が必要だが、メカニズムを説明できるかもしれない」と話している。 (C)時事通信社