2018年度の診療・介護両報酬の改定案が7日、出そろった。重症患者向けの急性期病床が将来のニーズより多過ぎるため、病院に診療報酬を支払う要件を厳格化し、病床の再編を誘導。入院の必要度が低い高齢患者の退院も促し、自宅や新設する「介護医療院」などで医療・介護サービスを受けてもらう。「脱入院」の流れを進め、医療費の膨張を抑えたい国の狙いに沿った形だ。
 18年度は6年に1度の同時改定。これを機に厚生労働省は高齢者が住み慣れた場所で過ごす「地域包括ケア」を推進する。同省幹部は「医療費がかさむ入院から在宅への切り替えが進めば、団塊の世代が75歳以上となる25年以降の財政負担も抑えられる」と強調する。
 同省は25年時点の全国の急性期病床の必要量は、15年に比べ約3割減の53万床程度と推計する。高齢化で慢性疾患などに医療ニーズが移るためだ。
 一方で、急性期病床のうち患者7人に対し看護師1人を置く「7対1病床」は、診療報酬が手厚いことから近年急激に増えている。ベッドの稼働率を上げようと軽症者を同病床に入れるケースがあるため、18年度改定では重症者の受け入れ割合も評価する仕組みを導入し、報酬がより少ない「10対1病床」への段階的な移行を促す。
 移行が進めば診療報酬の抑制にはつながるが、医療関係者からは「急性期病床の削減が進むかは不透明」と踏み込み不足を指摘する声も上がる。
 ◇介護医療院を受け皿に
 診療報酬改定では、リハビリで実績を上げた病院ほど報酬を増やす仕組みを強化し、高齢患者の退院も後押しする。退院後は自宅や介護施設に移る。受け皿として有力視されているのが、18年度に創設する介護医療院だ。「長期入院の温床」との批判がある介護療養病床を23年度末までに廃止する代わりに設ける施設で、生活の場との位置付け。1人当たりの床面積は原則8平方メートル以上と広めに設定した。
 介護保険が適用されている介護療養病床は全国に約6万床。他に医療保険適用の療養病床のうち約7万床も転換対象になる。18年度の介護報酬改定では20年度までの早期転換を促すため、優遇措置を設けた。日本慢性期医療協会の武久洋三会長は「多くの病院経営者が関心を示している。18年度中に計7万床ほどが介護医療院に衣替えするのでは」と予測している。 (C)時事通信社