東芝は14日の取締役会で、元三井住友銀行副頭取で、英投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を務める車谷暢昭氏(60)が会長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事を決めた。4月1日に就任する。綱川智社長は最高執行責任者(COO)として続投。車谷氏が中長期的な経営方針の決定に、綱川氏が実際の事業執行に責任を負う体制とする。
 東芝が社外から経営トップを招くのは、1965年に社長に就任した土光敏夫氏(元石川島播磨重工業〈現IHI〉社長)以来。米原子力事業の巨額損失で経営危機に陥った東芝は約半世紀ぶりに外部出身者に経営再建を託す。
 東京都内で記者会見した車谷氏は「わが国の財産とも言える企業を早期に回復させるのは、天命であり本懐だ」と決意を強調。東芝の主力行である三井住友銀で、東京電力(現東京電力ホールディングス)の経営再建に関与した経験を生かしていく考えを示した。綱川氏は「二人三脚で業務執行にまい進する」と述べた。
 また東芝は14日、2018年3月期の連結純損益見通しを5200億円の黒字(従来予想は1100億円の赤字)に上方修正した。前期は9657億円の赤字で、4期ぶりに黒字転換する。昨年12月に実施した第三者割当増資の効果もあり、3月末の株主資本は4600億円と、前期末の5529億円のマイナスから大きく改善。東証ルールに基づき2年連続の債務超過で上場廃止となる事態を回避できる見通しだ。
 一方、稼ぎ頭の半導体子会社「東芝メモリ」は、米投資ファンドなどに売却するため連結対象から外す。これにより、売上高は3兆9000億円と前期から1兆円弱減少し、営業利益はゼロになる見通し。収益力の強化が大きな課題となる。
 東芝は6月に開催予定の株主総会で車谷氏の取締役就任と綱川氏の再任を諮ることも決めた。
 車谷 暢昭氏(くるまたに・のぶあき)東大経卒。80年三井銀行(現三井住友銀行)入行、10年三井住友銀行常務執行役員、13年専務、15年副頭取、17年5月CVCキャピタル・パートナーズ日本法人会長。60歳。愛媛県出身。 (C)時事通信社