免疫細胞が集中しないようにブレーキをかけるたんぱく質の機能を解除し、本来備わっている免疫力を上げてマウスの白血病を治したと、京都大と大日本住友製薬の研究グループが発表した。論文は2日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
 京大の湊長博特命教授は「一時的にブレーキを外し、がんに打ち勝つ能力を高めることができる」と説明。創薬に向け研究を始めているという。
 血液のがんと呼ばれる白血病の細胞は、人やマウスなどに備わっている免疫細胞「キラーT細胞」に攻撃される。しかしキラーT細胞がたくさん白血病細胞に集まらないと、攻撃力は高まらない。
 研究グループは、たんぱく質「Sipa1」をなくしたマウスを使って実験。通常のマウスに白血病細胞を注入すると増え続けて40日以内に死んだのに対し、Sipa1のないマウスは注入から10日程度は白血病細胞が増加するが、その後減少に転じ、15日後までに細胞がなくなった。キラーT細胞が白血病細胞に集まりやすくなり、直接攻撃したと考えられる。 (C)時事通信社