不当な裁量労働制の適用を受けた野村不動産(東京都新宿区)の50代の男性社員が自殺し、労災認定されていたことが、東京労働局などへの取材で5日までに分かった。同局が男性に関する調査を進める中で、同社が他の社員にも不当な裁量労働制を適用していたことを把握し、昨年末の是正勧告につながった。
 東京労働局などによると、男性は東京本社所属で、転勤者の留守宅を一定期間賃貸するリロケーション業務を担当していた。2015年11月後半からの1カ月で180時間超の残業をしており、体調を崩すなどしていた。
 16年9月に自殺し、遺族が労災申請。同局は昨年12月26日、長時間労働が原因で精神障害を発症し、自殺に至ったと認定した。
 同社をめぐっては、本社や関西など4事業所で主に営業を担当していた社員数百人に対し、企画や調査に従事する労働者が対象の「企画業務型裁量労働制」を適用していたことが判明。自殺した男性を含め、違法な長時間労働や残業代の未払いが発生していた。東京労働局は是正勧告し、宮嶋誠一社長に特別指導も行った。 (C)時事通信社