細胞内で不要なたんぱく質を分解、再利用する「オートファジー」(自食作用)の障害がパーキンソン病の発症に関連していることを、順天堂大などの研究チームがマウスの実験で突き止めた。パーキンソン病の予防や治療法開発に役立つ可能性があるという。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
 パーキンソン病は神経伝達物質ドーパミンを作り出す神経細胞内に「レビー小体」と呼ばれるたんぱく質の固まりがたまり、手足が震えたり動作が遅くなったりする難病。高齢化に伴って患者が増え、厚生労働省の調査では65歳以上の100人に1人が発症しているとされる。
 順天堂大の佐藤栄人准教授らの研究チームは、遺伝子操作技術を使い、ドーパミン神経細胞でのみオートファジーが働かなくなるマウスをつくった。運動機能の変化などを観察した結果、若年期には異常はないが、老年期に当たる生後2年半前後で、足を引きずるなどパーキンソン病特有の症状が表れた。
 神経細胞を調べたところ、オートファジーがないマウスは若年期から、たんぱく質「p62」の固まりがたまっていた。老化につれてp62を核に「シヌクレイン」と呼ばれる別のたんぱく質が次第に沈着。レビー小体が形成され、パーキンソン病の症状が出ることが分かった。
 オートファジーは生物に欠かせないたんぱく質を細胞内で分解、再利用する仕組み。パーキンソン病などの神経変性疾患のほか、がんの発症などにも関わっているとされる。大隅良典・東京工業大栄誉教授(73)がオートファジーの起きる仕組みや関連遺伝子を解明した功績で、2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した。 (C)時事通信社