中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」で行われたたんぱく質結晶成長実験の成果を生かし、ネコ用の人工血液を開発した。宇宙飛行士の大西卓哉さん(42)がISSで実験し、試料を持ち帰った。論文は19日、英王立化学会の専門誌電子版に掲載された。
 献血制度がある人間と異なり、イヌやネコなどの動物医療は輸血用の血液確保が課題。安全で保存可能な人工血液の開発が望まれていた。
 中央大の小松晃之教授は2013年、酸素を運ぶヘモグロビンを血中のたんぱく質「アルブミン」で包んだ分子を作り、人工血液に必要な酸素運搬能力があることを確認した。
 ネコ用の人工血液として安定供給するには、原料のアルブミンをネコの血清からではなく、遺伝子組み換え技術で人工的に作らなければならない。安全性や有効性確認のため、組み換え技術で作ったアルブミンの詳細な解析も必要となる。
 研究チームは16年10月、ネコ用の組み換えアルブミンをISSに送り、無重力を生かした実験で詳細な立体構造を解明。血液由来のアルブミンと同様に使えることが分かった。 (C)時事通信社